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要旨
前報で構築した (Al, Ti)N コーテッド工具による高硬度材エンドミル加工の切削抵抗予測式について,
ボールエンドミルへの適用について検討した.そして最大切りくず厚さtm と切削円弧長L および切削関与
角θよりなる切削抵抗予測式を構築した.そしてこれを厳しい内側円弧切削を含む2次元切削加工におけ
る切削抵抗の予測と,その一定化制御に適用した結果その有効性が確かめられた.とりわけボールエンド
ミル切削加工で問題となる,刃先の場所ごとに切削特性が変化する問題や,切りくずが薄くなる微小切削
の場合にも本予測式による切削抵抗の予測と制御が可能であることがわかった.
1. はじめに
近年,焼入鋼の切削に適したエンドミル((Al,
Ti)N-コーティッド超硬工具)の開発により,HRC53
程度までの高硬度材からなる金型の高精度切削加工
が可能となっている1) .
しかし高硬度材のエンドミル加工では比較的微小
な切込み量でも大きな切削抵抗が生じることが経験
的に知られており,また過大な切削抵抗がすぐに工
具に重大な損傷を与えるという難点を抱えている.
そのため切削抵抗の特性を十分把握した上で適切な
加工条件や工具経路を選択することが重要である.
とりわけボールエンドミルによる金型の切削加工
においては,直線部の加工よりも円弧部の加工の方
がはるかに多いが,円弧部では切削抵抗が直線部と
は大きく変化する場合が多い.また2次元平面内の
輪郭加工であっても切削する平面の傾斜角によって
切削抵抗が変化するという問題もある.そのため工
具経路の各場所で各々の幾何的条件に応じてそこで
生じる切削抵抗や加工誤差を許容値以下に保ちつつ,
高能率な加工(=高い送り速度の加工)を行うこと
ができれば大変好都合である.
以上の目的を達成するためには,適切な数学モデ
ルを用いた切削抵抗の推定により送り速度を制御す
る必要がある.たとえばAltintas らがエンドミル切
れ刃各部分における傾斜切削モデルに基づく方法で,
ボールエンドミル切削時の抵抗を推定する方法を提
唱している2).しかしこの方法は,モデルに含まれ
る比切削抵抗など係数の数が多いためその決定が複
雑であること,また係数自体がエンドミル切削にお
ける種々の加工パラメータの影響を受けやすいなど
の点で実用的でない.また加えて一般的にボールエ
ンドミルでは外周刃から工具先端にむかっての切れ
刃ねじれ角などの幾何的な条件が変化する場合が多
く,切削速度も切れ刃の場所ごとにそれにつれて変
化するなどのボールエンドミル特有の問題が多いた
め,数学モデルによる取扱いはストレートエンドミ
ルの場合と比較して非常に困難である.
また一般的に実際の加工では,送り速度を制御す
る方法として,単位時間当たりの切削体積が一定と
なるように送り速度を場所ごとに変化させる方法が
よく用いられる.これは幾何的な計算だけですむの
で簡便で優れた方法である.しかしながらこの手法
により,ボールエンドミルの刃先の場所ごとに切削
特性が変化する点や,切りくずが薄くなる微小切削
の場合に切削特性が変化する点を表現することは難
しい.
そこで本研究においては実用的なボールエンドミ
ルの切削抵抗の予測や制御に使用可能な数学モデル
を構築するため,その切削抵抗の簡易推定式につい
て研究することとした.
まず本研究では,2次元平面内におけるボールエ
ンドミルによる高硬度材の切削加工について,近似
化手法である応答曲面法を適用して切削抵抗の予測
式を構築する.そして変形前の最大切りくず厚さ,
切削円弧長および先端切削関与角を3つのパラメー
タとする本予測式により,直線部切削および円弧部
切削を含む2次元平面内の輪郭加工での切削抵抗の
予測や制御が可能となることを示す.また本予測式
が,前述の刃先の場所ごとに切削特性が変化する問
題や,切りくずが薄くなる微小切削の場合にも適用
可能となることを示す.
なおボールエンドミルによる金型の切削加工にお
いては,直前の工具経路を経路方向に対し垂直な方
向について等ピッチ量オフセットして生成した工具
経路に沿って次の切削加工が行われる場合(以下こ
れを広義のピックフィード加工として定義する)が,
一般的に多く発生する.そこで本研究では,このピ
ックフィード加工を金型加工におけるボールエンド
ミルによる一つの典型的な切削形態と考えてモデル
化を行う.またボールエンドミルの切削抵抗は一般
Fig. 1 Geometrical model for pick feed
cutting by ball end mill
に切れ刃の回転によって大きく変動が生じるため,
予測値としての切削抵抗値はその時間平均値を用い
ることとする.
2.直線ピックフィード加工における
幾何的な干渉関係
図1はボールエンドミルによる直線ピックフィー
ド加工を単純化のうえモデル化したものであり,XY
平面内での変形前の最大切りくず厚さtm,切削円弧
長L および先端切削関与角θと他の加工パラメータ
による幾何的干渉関係について示す.Rdは径方向切
込み量(ピックフィード量),fz は1刃あたり送り
量,R はエンドミル半径,Ad は軸方向切込みである.
Ae nは切削関与角であり,工具送り方向に面したエ
ンドミル外周円のうち被削材と重なる部分に対応す
るものとする.なお変形前の最大切りくず厚さtm,
切削円弧長L および切削関与角Aenは,図1(c)中の
Level 90°(先端切削関与角θ=90°)におけるXY
平面内での値で表す.つまり図1(c)においてLevel
θでの切削のケースを考えればわかるように,エン
ドミル中心軸の幾何的変位量である径方向切り込み
量Rdと送り量fz が一定であっても図中のLevelθで
の実際の切りくずによるtmやL は先端切削関与角θ
(Ad)によって変化する.そこでθに対してtmやL
を独立変数として容易に扱うため,また解析や応用
における変数の取り扱いの便宜のため, tmとL は次
式(1) ~(3)からRdとfz から一意に決まる変数とす
る.すなわちtmとL(およびAen)は,Rdとfz が与
えられた場合に図1 でθ= 90°としてLevel 90°で
得られる値で仮想的に代表させるものとする.
L=R・Aen (1)
tm=fz ・sin(Aen) (2)
Aen=cos- 1{(R-Rd)/R} (3)
3.切削抵抗予測式
切削抵抗とそれに影響を与える要因を近似式とし
て結びつけるため,前報3)までと同様に応答曲面法
を用いる.本研究では切削抵抗の予測式として簡単
のため2次の多項式による応答曲面を構築する.そ
の場合,一般的にX を説明変数,Y を予測値,βを
回帰係数とすれば応答曲面は次式によって表される.
(4)
なおn は説明変数の数を示す.例えば3 説明変数に
よる応答曲面は,式(4)においてn= 3 として次式に
なる.
(5)
β X β X X β X X β X X
Y β β X β X β X β X β X
12 1 2 13 1 3 23 2 3
2
33 3
22
22
2
0 1 1 2 2 3 3 11 1
   
     
  
  
   
n
i 1
n
i j
ij
n
i 1
0 i ii i j
2
i i Y β β X β X β XX
未知の係数βは回帰分析により最小二乗法を用いて
求められる. 測定点とそれに対する応答値( 測定
値)が与えられた場合,回帰モデルは次式になる.
Y=Xβ+ε (6)
Y は応答値ベクトル,X は測定点による行列,β は
回帰係数ベクトル,ε は誤差ベクトルである.最小
二乗法によるβ の推定値は次式になる.
βe=(XTX)-1XTY (7)
本研究では,図1(c)に示す切削抵抗の合力Fxyz を
予測値として,変形前の最大切りくず厚さtm,切削
円弧長L および先端切削関与角θを3つの説明変数
として数学モデル化を行う.
4. 実験装置と方法
4.1 被削材と切削工具
工具として直径10mm,2 枚刃の(Ti, Al)N コーティ
ングされた微粒子超硬ボールエンドミルを用いる.
被削材としてダイス鋼SKD-61(硬さHRC53)を用いる.
4.2 実験装置と手順
実験装置の概略は次のとおりである.まず上記の
材料から作製した被削材を立形マシニングセンタ
(MC)のテーブル上に取り付ける.被削材は圧電素子
を用いた3 成分工具動力計上に保持され,切削抵抗
の測定に用いられる.切削抵抗を測定する際は図1
中のRd,Ad に示されるように,被削材についてエ
ンドミルの軸方向と径方向に一定の切込み量を与え,
XY 平面内での直線切削および円弧切削を行う.
4.3 実験条件
切削抵抗測定実験において用いる標準切削条件
( 水平面上の直線ピックフィード加工を基準とす
る)を表1に示す.円弧部切削も被削材の半径に応
じて送り量を変化させる以外はこれに準じる.ただ
し表1の軸方向切込み量Adの値は,それぞれ先端切
削関与角θがそれぞれθ=15°,30°,60°,90°の
場合に対応している.また主軸回転数は常に一定で
あり,対応する切削速度は工具半径が5mm となる点
での標準的な値を示す.
4.4 応答測定点と応答曲面
最小二乗法により応答曲面を求める際,より誤差
の小さい応答曲面を得るためにはXi より成る変数空
間において応答測定点をどのように取るかが重要で
ある.まずX1,X2 については,2次の多項式による
応答曲面に対して一般によく用いられるXi 変数空間
での等半径の測定点の配置を利用し,この円形領域
Table 1 Standard cutting conditions
Cutting speed S
(Spindlespeed) V
302 m/min
(maximum)
(9600 min-1)
Feed per tooth fz 0.06 mm/tooth
Cutting direction Down cut
Free length of end mill 30 mm
Tool runout ≦ 4μm
Radial depth of cut Rd 0.3 mm
Axial depth of cut Ad 0.17, 0.67,2.5, 5
mm
Workpiece Die steel
SKD-61 (HRC53)
Coolant Dry air
Table 2 Undeformed chip thickness (tm: X1) and arc
length of cutting engagement (L: X2) for
cutting force experiments
Standard
range of
t m and L
(1/2)
tm and L for
standard
cutting
conditions
Standard
cutting conditions
End
mill
φ
mm
δtm δL
μm mm
t0 L0
μm mm
R d fz spindle
speed
mm mm/tooth 1/min
10 7 0.262 20.5 1.74 0.3 0.06 9600
内を実験空間とする4).切削抵抗測定実験での工具
摩耗の進行の影響を避けるためには測定点数は少な
い方が望ましいが,応答曲面の精度を考慮して標準
切削条件を中心としてtmとL の2次元空間上に配置
された10 個の測定点を用いる. X1,X2 は各々tmと
L を式(8)~(9)によって正規化したtm
*,L*を用いる.
すなわちδtmとδL は各々tmとL の実験区間の基準
幅/2 であり,測定点9,10 は標準切削条件でのtm0
とL0 に対応している(tm
*=0,L*=0).これらの値は
表2 に示す値を用いる.なお図1に示す幾何的関係
から,tmとL およびRdとfz は式(1)~(3)により相互
に変換することができる.またX 3 は,エンドミル
の先端切削関与角θを式(10)によって単位角度30°
で正規化したθ*=0.5,1,2,3 の4 とおりを用いる.こ
のとき表1に示すようにθ*=0.5,1,2,3 では,軸方向
切込み量Ad は各々Ad=0.17,0.67,2.5,5.0 mm となる.
X1=tm
*=(tm-tm0)/δtm (8)
X2=L*=(L-L0)/δL (9)
X3=θ*=(θ-θ0)/δθ (10)
5. 実験結果と考察
5.1 切削抵抗Fxyz の予測式
切削抵抗測定実験により得られた2 次多項式応答
曲面を先端切削関与角θ* = 3 の場合を例として等
高線図により図2に示す.実験結果によれば切削抵
抗値Fxyz の値は,先端切削関与角θ*が0 から1 に変
化する間に急速に増大しており,先端切削関与角θ*
が1 から2 に変化する間に比較して切削抵抗値Fxyz
の変化率が大きい.このような場合は,一般的に説
明変数Xi の空間上で領域分割を行い,各々で低次関
数による応答曲面を作成して近似を行うのが予測精
度などの点で有利である5) .そこで先端切削関与角
θ*=1(X3=1)を境界として2つの領域A,B に説明変
数Xi の空間を分割して各々で応答曲面を構築した.
これにより3説明変数による応答曲面の全係数が得
られるのでそれを用いて,原点(tm
*=0,L*=0)を通
る断面によって応答曲面を表示したものを図3に示
す.これらにより得られる予測値Fxyz の単位はN で
ある.また統計値のR2 は決定係数であり,Ra
2 は
自由度調整済みの決定係数である.得られた各係数
について統計学上のF 検定を用いて優位水準α=
0.05 で有効性を検証した.これによればすべてのケ
ースでRa
2>0.999 となっており,得られた応答曲
面はかなり良い近似となっていることがわかる.
Fig. 2 Contour plots of Fxyz based on response
surface(Nose engagement angle θ* =3 (X3=3))
Fig. 3 Sections of response surfaces (Fxyz)
5.2 予測式による切削抵抗の一定化制御
(直線切削)
次に,得られた係数による切削抵抗予測式を用い
て,水平面上のピックフィード加工(直線切削)に
おける切削抵抗の制御が可能かどうかを検証した.
すなわち先端切削関与角θ*=3 の場合,図2中の6 個
の点により示したFxyz の10N 毎の等高線上の最大切
りくず厚さtmと切削円弧長 L の組合せを任意に選び,
これによる直線切削実験を行って切削抵抗値を測定
する.幾何的な条件であるtmとL からRdとfz を算
出するには,式(1)~(3)を用いる.その測定結果を図
4に示す.他の実験条件はtmとL に応じてRd とfz
を変更する以外は標準切削条件と同じとした.図4
によれば,切削抵抗の測定値と予測値の誤差は4 %
以内となっており,十分な精度で切削抵抗値Fxyz の
一定化が達成されていることがわかる.
Fig. 4 Measured Fxyz for constant cutting force
(straight cutting)
5.3 傾斜面の切削における切削抵抗の予測
(直線切削)
次に,得られた切削抵抗予測式を用いて,ボール
エンドミルによる傾斜面上のピックフィード加工
(直線切削)における切削抵抗の予測が可能かどうか
検討する.傾斜面に対し上向きと下向きのボールエ
ンドミルによるピックフィード加工における幾何的
な干渉関係を図5に示す.図5中の軸方向切り込み
量(除去部分の軸方向厚さ)Ad,径方向切り込み量
(ピックフィード量)Rdが一定であれば,単位時間
当たりに除去される体積は傾斜角θ1によらず常に
一定である.ただし工具の送り方向は紙面に対し垂
直な方向とする.同図中のθ2,θ3はボールエンド
ミルの切削に関与する切れ刃部の工具中心軸からの
角度であり,これらは傾斜角θ1や軸方向切り込み
量Ad,径方向切り込み量Rdから幾何的に求めること
ができる.
図6は原点(tm
*=0,L*=0)を通る断面によって
標準切削条件での応答曲面を表示したものである。
Ad=0.67mm
Rd=0.3mm
いま標準切削条件(直線切削)により傾斜面上のピ
ックフィード加工を行うとき,図5中のθ1,θ2,
θ 3がθ1< θ3< θ2なる関係であるとするとそれに
対応する先端切削関与角θ*の値から切削抵抗予測
式によりFxyzが図6中のF1,F2,F3のように求められ
る.図5において切削に関与する切れ刃に対応した
先端切削関与角θ*の範囲について,図5(a)ではθ1
<θ*<θ2,図5(b)では-θ1<θ*<θ3のように近
似することができる.いま標準切削条件により一定
の径方向切り込み量Rdで直線切削を行うことから,
図5(a)(b)の傾斜面のピックフィード加工における
切削抵抗Fxyzの予測値Fxyz up,Fxyz downは,図6に
よる切削抵抗の予測値を用いて式(11)~(12)のよう
に近似することができる.すなわちこれは先端切削
関与角θ*の範囲が傾斜角と工具の加工の向きによ
って変化することにより,予測式から得られるFxyz
の減算ないし加算によって傾斜面上での予測値Fxyz
が表されることを示している.
Fxyz up = F2-F1 (11)
Fxyz down= F1+F3 (12)
Fig. 5 Geometrical relations of nose engagement angle
θon inclined surfaces in pick feed
cutting by ball end mill
Fig.6 Estimated cutting forces Fxyz up and Fxyz down
Fig. 7 The comparison between estimated and measured
cutting forces Fxyz with different inclination angle
この方法によって求めた,さまざまな傾斜角にお
ける標準切削条件による切削抵抗の予測値と実測値
を比較して図7に示す.これによれば傾斜面上のピ
ックフィード加工(直線切削)については両者の差は
最大でも10%以下であり,実用上あまり問題ない誤
差で切削抵抗を予測することができている.
また図7においては,どの条件でも単位時間当た
りに切削される体積は常に一定であることから,本
予測式による手法が,刃先の切削に関与する場所で
切削抵抗が変化する問題にも十分対応できているこ
とがわかる.
5.4 予測式による切削抵抗の一定化制御
(円弧切削)
次に,得られた切削抵抗予測式を用いて,曲線切
削における切削抵抗の制御が可能かどうかを検討す
る.なお本実験では,直線切削と同様に,軸方向切
り込み量Ad が一定のもとでは変形前の最大切りくず
厚さtmと切削円弧長L によって切削抵抗が決定され
るものとして,以下の切削抵抗の制御実験を行い,
本予測式の一般的な有効性を確認することとする.
すなわち直線切削での切削抵抗値Fxyz と常に等しく
なるように,半径の異なる内側円弧部の切削におけ
る,エンドミル中心での1刃あたり送り量fz を予測
式に基づいて計算し,円弧切削による切削抵抗の測
定を行って,ある切削抵抗の目標値について直線・
円弧切削によらず,その一定化制御が可能であるか
を確認する.
実際に水平面上のピックフィード加工(内側円弧
切削)について先端切削関与角θ*=3(軸方向切り込
み量Ad=5.0mm)の場合に,円弧中心を固定し内側円
弧の半径を変えて行った実験結果を図8に示す.基
準となる切削抵抗値(Fxyz=68.8N)と等しくなるよ
う変形前の最大切りくず厚さtmと切削円弧長 L を計
算し,対応するエンドミル中心の送り量fz を与えた.
図8中の点線は基準となる直線切削での送り量(fz
= 0.06mm/tooth ) と切削抵抗Fxyz の値( Fxyz=68.8
N)を示す.実験条件は円弧切削で送り量fz を変更
する以外は標準切削条件と同じとした.これによれ
ば半径比Kr(被削材円弧半径/工具半径)が2 とかな
り小さな内側円弧部を含む切削について6%以内の
誤差で切削抵抗を直線切削と等しくすることができ
ている.これにより,前述の仮定がボールエンドミ
ルについても実用上あまり問題なく受け入れられる
ことがわかる.
図9は図8について,その加工条件における一刃
当たりの切削体積を計算し,単位時間当たりの切削
体積を一定とする手法の場合と比較したものである.
後者の体積を1としたときの体積比Kv として,半
径比Krに対してプロットしたものである.これより
半径比Kr≧3.0 の場合は,半径比Krが大きくなる
ほど(直線切削に近づくほど)単位時間当たりの切
削体積を一定とする手法の場合に近づくことがわか
る.
しかし半径比Kr≦3.0 の場合は,半径比Krが小
さくなるほど急激に体積比Kv が減少することがわ
かる.すなわち半径比Krが小さい内側円弧部では,
切削抵抗を直線切削と等しくしようして送り量fz を
減少させると変形前の切りくず厚さtmが幾何的に著
しく減少する切削条件となる.そのため,切りくず
の寸法効果による非線形な効果が顕著に現れること
により,発生する切削抵抗の特性が変化するものと
考えられる.すなわち半径比Kr≦3.0 では,半径比
Krの減少とともに,切りくずが薄くなる微小切削と
なり,比切削抵抗が通常の切削の場合に比べて非常
に大きくなっている.
以上の結果より,ボールエンドミル切削加工で問
題となる切りくずが薄くなる微小切削の場合にも,
本予測式により切削抵抗の予測と制御が可能となる
ことがわかる.
Fig. 8 Cutting forces at concave contour
Fig. 9 Change of chip removal ratio Kv
with increasing Kr
6. おわりに
高硬度材のボールエンドミルによる切削加工につ
いて,切削抵抗予測式の構築およびその予測と制御
について研究を行い,次の結果を得た.
(1) 応答曲面法を利用して,ボールエンドミルにつ
いて変形前の最大切りくず厚さtm,切削円弧長
L および先端切削関与角θの3つをパラメータ
とする切削抵抗のxyz 成分の合力の時間平均値
Fxyz の 予測のための数学モデルを構築した.
(2) 水平面上のピックフィード加工(直線および内
側円弧切削)について,同モデルによる切削抵
抗の予測と制御を試みた結果,それぞれ4%,
6%以内の誤差でFxyz の一定化を達成できた.
(3) 傾斜面上のピックフィード加工(直線切削)に
ついて,先端切削関与角θの干渉区間について
の幾何的な近似手法に基づき,同モデルによる
切削抵抗の予測を試みた結果,最大でも10%以
内の誤差でFxyz の予測ができた.
(4) ボールエンドミル切削加工で問題となる,刃先
の場所ごとに切削特性が変化する問題や,切り
くずが薄くなる微小切削の場合にも本予測式に
よる切削抵抗の予測と制御が可能であることが
わかった.
追記
本実験に使用した高速加工機(MC)は,日本自転
車振興会の補助金を受けて設置したものである
参 考 文 献
1) 山田保之,青木太一,田中裕介,脇平浩一郎:コーティ
ッド超硬工具による高硬度材の切削,日本機械学会論文
集(C編), 60, 577 (1994) 2906.
2) G.Yucesan,Y.Altintas:Prediction of Ball End Milling Forces,
Trans. ASME, 118, 2, (1996) 95.
3) 大塚裕俊,垣野義昭,松原 厚,中川平三郎,廣垣俊
樹:焼入鋼のエンドミル加工に関する研究(第2 報) ,
精密工学会誌,67,8 (2001)1294.
4) J.A.Cornell: The Basic References in Quality Contorol, Vol.8,
How to Apply Response Surface Methodology, American
Society for Quality, Quality Press, Milwaukee, (1990) 51.
5) 轟 章 : 応答曲面法による非線形問題の最適設計入門
資料,日本機械学会講習会,(1999) 9.

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BW специализируется в научных исследованиях и разработках, и снабжаем самым высокотехнологичным карбидовым материалом для поставки режущих / фрезеровочных инструментов для почвы, воздушного пространства и электронной индустрии. В нашу основную продукцию входит твердый карбид / быстрорежущая сталь, а также двигатели, микроэлектрические дрели, IC картонорезальные машины, фрезы для гравирования, режущие пилы, фрезеры-расширители, фрезеры-расширители с резцом, дрели, резаки форм для шлицевого вала / звездочки роликовой цепи, и специальны

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