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非鉄品目
( 1)銅 | ( 2)アルミニウム | ( 3)鉛 | ( 4)亜鉛 |
( 5)すず | ( 6)クロム | ( 7)ニッケル | ( 8)マンガン |
( 9)タングステン | (10)モリブデン | (11)バナジウム | (12)コバルト |
(13)タンタル | (14)金 | (15)銀 | (16)白金 |
(17)水銀 | (18)黄銅 | (19)青銅 | (20)丹銅 |
(21)白銅 | (22)洋白 | (23)チタン |
(1) 銅 元素記号Cu、電気抵抗が小さい・熱の伝導もよい・耐食性がよい・塑性加工しやすいなどの性質をもち、電気関係の用途に広く使われている。 (被覆電線の導体・湯沸器の熱交換器・キュービクルのブスバーなど)
(2)アルミニウム 元素記号Al、金属の中では軽く、耐食性がよい(さびにくい)、電気をよく通す熱を伝えやすい、また、やわらかく加工性のよいこと、融点が低く鋳造に有利である。
ただし、機械的性質は低いので強度を必要とするところには使われませんが、ジュラルミンのようにSS材なみの引張り強度をもつアルミニウム合金もあります。
アルミニウムは、展伸材と鋳造材の2種類に分けられます。 展伸材とは、圧延・押出し・引抜きなどによって広げ(展)たり、伸ばしたりしたものです。 展伸材の規格は、4ケタの数字であらわされます。(1000番台~7000番台)1000番: 純アルミニウム系―強度は低い、耐食性がよく、溶接しやすい、熱・電気の良導体である。
(用途例:ブスバー,電線,ネームプレート,キャップ,印刷板など)
2000番: 銅系―耐食性が悪く、溶接しにくい。強度は鋼材と同等のものもある。削りやすい。
(用途例:ねじ,航空機,ギャー,シリンダーヘッド,ピストン,リベット用材など)
3000番: マンガン系―耐食性を悪くしないで、1000番台より強度を増したもの。
(用途例:飲料缶,屋根板,電球口金,化粧板など)
4000番: シリコン系―融点が低く、熱膨張率が小さい。
(用途例:ピストン,シリンダーヘッド,溶接線,など)
5000番: マグネシウム系―耐食性がよく、溶接しやすい、比較的強く最も種類が多い。
(用途例:車輌,船舶,缶エンド,ファスナー,圧力容器など)
6000番: マグネシウム・シリコン系―耐食性がよく、押出し加工によい。
(用途例:サッシ,自動車部品,ガス器具など)
7000番: 亜鉛・マグネシウム系―アルミニウム合金の中でもっとも強いが、耐食性は落ちる。
(用途例:航空機,スキーストック,熱交換フィン)
鋳造材は1~9種に分けられます。それぞれつぎのようになっています。
1種AAC1A1種BAC1B 2種AAC2A2種BAC2B 3種AAC3A4種AAC4A 4種BAC4B4種CAC4C4種CHAC4CH4種DAC4D 5種AAC5A 7種AAC7A7種BAC7B8種AAC8A 8種BAC8B8種CAC8C 9種AAC9A9種BAC9B
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(3) 鉛 元素記号Pb。 比重が大きく、やわらかく低融点であり、展性が大きく潤滑性があり耐食性が優れています。機械関係ではそのまま使われることはあまりなく、快削鋼や快削黄銅被削性をよくするために添加する。軸受合金に使われるのは潤滑性をよくするためです。 用途例:はんだ・活字合金・ヒューズ・スプリンクラー・絵の具のチューブなど
(4)亜鉛 元素記号はZnです。腐食しやすく、弱いので亜鉛そのものとしてはほとんど使われません。鉄板の錆どめのメッキ材料、印刷の製版用、電池のマイナス電極、黄銅などの合金材料として広く使われています。亜鉛合金の特徴は、時間の経過と共に収縮する(5週間くらいで止まる)。
(5)すず 元素記号はSnです。低融点でやわらかく、弱い金属です。ブリキ版のメッキに使用されくらいで、ほかに合金材料としていろいろなものに利用されています。
(6)クロム 元素記号はCrです。ステンレス鋼をはじめ各種合金に使用されます。ふつうよく見られるのが錆止めのメッキです。鉄にクロムを加えたものは電熱線として使われたり、鉄にクロム14~15%を加え電車の抵抗器に使用したりもします。
(7)ニッケル 元素記号はNiです。耐食性の優れた金属で、メッキ・合金材料として使用されます。単体としては、真空管の電極などに使用される。合金材料としては、Ni(40~50%)と銅の合金は、電気抵抗体材料として使用されます。
また、Ni(63~70%)と銅の合金としては「モネルメタル」で耐食性・耐酸性がよく、機械的性質もよく、耐熱性もよい。
モリブデン・クロム・鉄・けい素などを加えたものとして「ハステロイA~D」「インコネル」と呼ばれるものもあります。そのほか、ニクロム線(NCHW)、点火栓の中心電極に使用されています。
(8)マンガン 元素記号はMnです。各種合金に少しずつ加えられて、焼入れ性をよくするのに有用な金属です。乾電池のプラス電極に二酸化マンガンMnO2として使用されています。
(9)タングステン 元素記号はWです。高融点金属でほかの金属のように溶かして製錬できないので粉末を精製しています。白熱電球のフィラメント、電気の接触機、自動車エンジンの高圧回路などに使用されています。
(10)モリブデン 元素記号Moです。特殊鋼に添加され焼入性がよくなり、ねばりがでる。高融点ということで電球、真空管内のタングステン線支持体、電極に使われる。また硬質ガラスの熱膨張係数とほとんど同じで、その酸化物がガラスによくとけるので気密封着に都合がよく、ガラス封入導線として使用される。また、ガラス溶融電極にも使用されている。
(11)バナジウム 元素記号Vです。これは合金用材料です。耐摩耗性をよくし、ねばり強さも大きくする。
(12)コバルト 元素記号Coです。これも単体では使われず、合金元素として耐熱合金・永久磁石・ハイス・超硬合金などに添加される。
耐熱合金には、耐熱鋼・耐食耐熱超合金(スーパーアロイ,インコネル,インコロイ)があるが、加工が難しいので、ロストワックス鋳造法などで成形される。
ジェットエンジン,ターボ過給機,タービンなどに使われる。また、ステライトと呼ばれるものも耐摩耗,耐熱を目的として肉盛して使われるコバルト合金です。このなかでCo(60%前後),Cr(30%前後),Mo(5~6%)の合金は歯科用合金として使われます。
(13)タンタル 元素記号はTaです。高融点金属で、電子ビームで溶かす方法で作られる。炭素と化合させた炭化タンタルとして超硬合金に加えて、高温での摩耗性を高めるのに使われています。
タンタルそのものとしては、耐酸性がいちばんよいので薄板として化学装置に使われますが、よく知られているのは、電子部品としてのタンタルコンデンサです。
(14)金 元素記号はAuです。金はむかしから装飾品として使われてきました。これは、金がやわらかく展延性の最もよい金属であり、耐食性にも最も優れているからです。また、現在は電子部品のリード線,接点,歯,金貨などに多く使われています。
金にはカラット(K)という成分比を表わす単位が習慣的に使われます。これは24カラット(K)を100%としたものです。
(15)銀 元素記号はAgです。銀も金と同じようにむかしから貨幣や装飾用に使われてきました。使用量でいちばん多いのはフィルムなどの感光材料です。あと電気器具の接点などです。
(16)白金 元素記号はPtです。耐食(酸)性がよいので化学工業のるつぼなどにつかわれます。工場で知られているのは、熱電対としての高温温度計がある。電気抵抗が広い範囲で温度に比例することと、融点が高いからです。特殊なところで、メートル原器は白金に10%のイリジウムを加えたものです。
(17)水銀 元素記号はHgです。これは常温で液体の金属です。温度計,水銀スイッチ,水銀灯,水銀電池などに使用されています。
(18)黄銅 これは銅と亜鉛の合金で、通称「しんちゅう」「真鍮」,英語では「ブラス=Brass」といいます。
黄銅はやわらかい銅と亜鉛との合金ですが、この合金になるとどちらよりも硬くなり、伸びは小さくなり、引張り強さも強くなります。六四黄銅(Cu:60%,Zn:40%)は機械部品としてよいものになり、切削性もよいが、熱膨張率も大きいので切削熱による寸法誤作がよく起るのが欠点です。用途例は、船のスクリュー,管楽器,時計用歯車,自動車のラジエター,水道の蛇口,仏具などがあります。
また、銅よりも安く、融点も低いため鋳物としても便利で、展延性もよく、錆にくく、見た目も良いため、機械部品以外にも広く使われています。
黄銅はふつう黄銅のほかに、他の元素を加え特殊な性質をもたせたものがいくつもあります。
快削黄銅 鉛を0.6~3.0%加えて削りやすくしたもので、精密な加工を必要とする歯車などに使われます。JISの棒材記号はC3600番台で、板材はC3500番台、とくに打抜性のよい時計歯車用はC3710番台がある。
ネーバル黄銅 六四黄銅にすずを0.5~1.5%加えたもので、腐食に強いので船舶用部品に使われます。JIS記号はC4600番台です。
高力黄銅 六四黄銅にアルミ,鉄,マンガン,鉛などを加えたもので、引張強さ・かたさを向上させたものです。JIS記号はC6700番台と高力黄銅鋳物HBsCです。
鍛造用黄銅 六四黄銅に鉛,鉄,すずをいれたもので、熱間鍛造性がよく、被削性もよい。JIS記号はC3700番台です。
(19)青銅 これは銅とすずの合金です。むかし大砲の砲身がこの青銅の鋳物でつくられていたことから通称「砲金」と呼ばれます。用途例は、給排水用栓,彫像,軸受ポンプ胴体,ブッシュ,ギヤ,シールリング,水道メーターなど
すず青銅 実際上鋳造にしかつかわれないので「青銅鋳物」として規格があるだけで、亜鉛・鉛もはいっている。JIS記号はBCです。
りん青銅 すずを3~9%,りんを0.03~0.35%加えたもので、かたく、引張強さも大きいので、機械部品としてこれが多く使われます。ウォームギヤや電導性がよいのでスイッチ関係に広く使われている。
快削りん青銅 鉛をいれて削りやすくしたもの。
アルミニウム青銅 銅を80~90%にし、アルミニウムのほか鉄、ニッケル、マンガンをくわえたもので、引張り強さ、かたさが、ともにりん青銅より大きく機械部品としてよく使用される。
鉛青銅 すず青銅に、すずと等量以上の鉛を加えたもので、ニッケルもはいっている。潤滑性がよくほとんどが軸受類の鋳物として使用されている。
シルジン青銅 けい素と亜鉛の入った鋳物用合金です。亜鉛を少なくしているので海水に強く、引張り強さもネーバル黄銅より大きいので、船舶部品の材料となります。けい素黄銅ともよばれます。
(20)丹銅 銅(80~95%)と亜鉛(20~5%)の合金です。展延性が大きいので板材からの絞り加工,装飾金具に使われます。用途例:口紅のケースなど
(21)白銅 ニッケル(9~33%)と銅の合金で、耐食性特に耐海水性がよく、高温での使用に強い。貨幣(100円玉)にも使用され銀貨の記念硬貨はほとんどこれです。
(22)洋白 黄銅にニッケルを10~20%いれたもので、装飾品、食器、楽器などに使われています。耐疲労性・耐食性もよいことから小さい機械部品にもつかわれたり、また、ばね性もよいので、ばね材にも使われます。
(23)チタン 元素記号はTiです。これは新しい実用金具です。特徴は、なんといっても耐食性が非常によく、比重も小さい割にかたく、高温にも耐える金属です。ただ加工性が非常に悪く、熱伝導も悪く、ねばりがあり、加工硬化起こすなどの欠点もある。用途は、ジェットエンジン部品、航空機の構造体、ロケット関係に使用される。
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