Bewise Inc. www.tool-tool.com Reference source from the internet. ここではアルミ鋳物(弱剛性)穴位置精度φ0.04以内の精度出しについてお話します。
1.位置決め精度の要素機械の剛性・案内面の構造・移動体の位置決め方法・刃物の剛性・加工方法・切削抵抗の方向・主軸の剛性・重心移動による変形・熱変位・主軸の回転精度・主軸の静剛性・ワークの保持方法等々あります。
2.穴位置精度に通常影響するとおもわれる要因移動体の位置決め方法・加工方法・刃物の剛性・ワークの保持方法・切削抵抗の方向・熱変位等がある・
3.通常影響すると思われる要素の具体例3.1 移動体の位置決め方法汎用機の場合、ハンドルに付属の目盛りだけと移動体の位置を表示するデジタルスケール付きに大別されますが、MCの場合はオープン(最近では無いと思います)セミクローズとクローズ方式があり、ここではセミクローズとクローズについて説明します(下図参照)。
1) セミクローズドループ
ボールねじの端部にリータリーエンコーダが取り付けられ、常に回転角度を検出しているので信号の取りこぼしがありません。ここで注意しなえればい
けないの
は、私達が必要としていいるのは直線の位置決めであって、ボールねじの回転角度及び回数ではないという事です。このセミクローズでは、高精度のボールねじ
が使われていますが、動く度に熱がでたり磨耗が進行しますので、定期的にレーザー又は
ピッチマスター等でバックラッシュ及びピッチエラー補
正が必要になると思います。
2) クローズドループ
これはテーブル等移動体を直接検出するようにスケールが付いており、期待する位置に行かない場合は、信号がフィードバックされ正しい位置へ補正されます。スケールが付いていますので、それだけ割高になりますが、高精度の加工が望まれる部品加工では必要かと思います。
3) 各方式の特徴
ア.セミクローズ
構造が簡単・応答が速い・バックラッシュ・ピッチエラー補正必要・ギヤ送りねじの影響を受けやすい。
イ.クローズドループ
応答が遅い・バックラッシュ・ピッチエラー補正が少・位置ずれが発生しても元に戻る。参考資料=バックラッシュと送り精度の
実測データはこちら 3.2 ワーク保持時の変形アルミ鋳物は剛性が殆どありませんので、締め付け力で簡単に変形します。
※基本的なワーク保持の考えは
ここの1)と2)を参照して下さい。上記ではワーク全体を保持していますが、実際の鋳物(複雑形状)ではそのような事をしたらいくら弱い締め付け力でも変形量が多いので、製品形状以外に肉の厚い捨てボス等を追加して保持します。下図にその締め付け例を示します。
注 説明に不要なものは省いてあります。
上図は凹のおわん状の形状なので、ひずみがあるとその面上にある公差の厳しい穴位置に影響を与える。極力歪を出さないように保持し平面度を出すよ
うにする
のが加工精度を安定させる秘訣である。当てつけ押さえ等を球面にしたのは、その箇所の平面・平行・平坦度等が満足いくものでないと仮定しているためであ
る。
※加工直後そのまま機上で測定し、アンクランプ後再度測定した時にその値がほぼ同じなら(10μm以内)締め付け時の歪は殆ど無かったと思ってもよいでしょう。
3.3 加工時の切削抵抗剛性の無いワークと剛性のある刃物、負荷がかかれば剛性の小さい方が負け、加工ポイントが期待はずれになる。お互の剛性が同じでも必ず変形する。
1)横切れ刃角が45度のバイトを使った場合。
参考 剛性が小さいリーマ先端の切れ刃も同じ形状ならほぼ間違いなく下穴に倣う。位置度がうるさい場合は、前工程の穴位置精度をきちんと出さなければならない。
2)横切れ刃角0度のバイトと使った場合。
参考 剛性が小さいリーマ先端がこのような場合でもあまりにも剛性がないので前工程での対策が必要となる。
3)きちんと穴位置を出すためには
仕上げ前の工程で、上記3.3の2)のような加工が必要になる。ただし仕上げがボーリングでノーズRが小さい場合は問題なくてもノーズRが大きい
と背分力
が増えるので下穴精度が大事になる。リーマが最終仕上げの場合は、下穴をボーリング又小径の場合はわずかに小さい2枚刃のエンドミルを下穴としたり、入口
だけ同径エンド2枚刃又はFBで案内をもうけるようにすればればよいと思われる。
3.4 熱変位(加工熱関係)1)膨張係数
線膨張係数(X10-6/°C)
鋼 =11.6
アルミ=23.6
になりますが、ここでは単純にアルミは鉄の2倍とします。
加工すればワーク温度が上がります。切削液を使えば熱を奪いますが、水と油では熱伝導率が違います。仕上げ加工前にワークの温度を測ったほうが後
々参考に
なるのでよいかと思います。切削油(油)は熱をあまり奪わないので期待値に対してわずかですが縮みます。その分を補正するなりして20度C(公差等級1
等)において図面が期待する数値の半分に入るようにします。
例
図面値=基準穴に対してφ0.04ならφ0.02になるようにします。長さでも変わりますが、うちの場合は指令値0.01~0.03ミリ程度は普通に補正しています。水溶性は最近使っていないし、データが無いので分かりません。
※ちなみに穴径も大きめにしています。
参考資料=鋼とアルミニウムの
実際の変化量はこちら 2)上手い仕上げの仕方
加工熱は荒で沢山でます(わざと沢山だす場合もあり)、アルミの仕上げは熱が沢山出ていFM・ドリル・荒ボーリング等を先に行い、タップ加工中に
ある程度
冷ますようにしてから仕上げに入った方がいいでしょう。一番ベターなのは、荒工程と仕上げ工程を別の機械で行う事ですね。鋼の厚いプレート等は放熱にも時
間がかかるので、一晩置いてから仕上げ加工すればφ0.02の位置度を満足させる事が出来ると思います。加工効率と加工精度は反するものがあるとおもいま
す。