【技術分類】 |
1-1 外径旋削バイト |
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【技術の名称】 |
1-1-2c 突切り加工の高能率・高精度化をもたらす超硬合金突切りバイト(1-1-2f、4-2、5-2、6-2-3、8-1-2) |
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【技術内容】 |
突切り加工の高能率化を目的とし、ホルダを超硬合金としたクランプ型の突切りバイトが開発された。 |
突切り加工では切削中にびびりを生じたり切屑が詰まりやすいなどの問題が起きる。そこで、ホルダ剛性を飛躍的に向上させ、突切り加工の 高能率化、高精度化を実現した。本バイトは超硬合金の板状ホルダに高性能チップをくさび力でクランプするスローアウェイ型の突切りバイトである(図1)。 有限要素法を用いて数値解析を行い、超硬合金ホルダに発生する切削中の応力集中を低減するように設計した。 |
本ホ ルダと鋼製ホルダをそれぞれ使用したときの突出し量ごとのびびり振動を図2に示す。数値解析による最適設計と高剛性超硬合金ホルダ の採用により振動を低減し、本ホルダでは鋼製ホルダに比べ突出し量を約2倍にまで拡大できた。それゆえ、大径サイズの被削材の突切り加工が可能となった。 |
本バイトの採用により、丸棒や中空材のほか、六角材の突切り加工など断続切削の場合でも安定した工具寿命が得られることを種々の具体例で示した。丸棒の場合の工具摩耗を図3に示す。高速高送り切削が可能で反りの無い仕上面が得られることを示した。 |
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【図】 |
図1 チップのクランプ機構 |
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出典:「突切り加工の高能率・高精度化をもたらす超硬突切りバイト:つっきるくん」、「ツールエンジニア 30 巻 11号」、(1989年11月)、保利修、大河出版発行、109頁 図1 チップのクランプ機構 |
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図2 切削時の振動比較 |
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出典:「突切り加工の高能率・高精度化をもたらす超硬突切りバイト:つっきるくん」、「ツールエンジニア 30巻 11号」、(1989年11月)、保利修著、大河出版発行、111頁 図4 切削時の振動比較 |
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図3 丸棒の突切り加工における工具寿命 |
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出典:「突切り加工の高能率・高精度化をもたらす超硬突切りバイト:つっきるくん」、「ツールエンジニア 30巻 11号」、(1989年11月)、保利修著、大河出版発行、111頁 図5 丸棒の突切り加工 |
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【応用分野】 |
突切り加工 |
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【出典/参考資料】 |
「ツールエンジニア 30巻 11号」、(1989年11月)、保利修著、大河出版発行、108頁~113頁 |
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【技術分類】 |
1-1 外径旋削バイト |
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【技術の名称】 |
1-1-2aa 角度のついたバイト(突切り用) |
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【技術内容】 |
突切り加工では、多くの場合びびりが問題となる。加工時に発生するびびりを少なくするためには、剛性の高いバイトを使用し、刃物台からのバイト突出し量をできるだけ小さくする。 |
そして、工作物の加工中のたわみ、移動を防ぐため、工作物はチャックにしっかり固定し、チャックからの突出し長さを最小になるようにセットする。工作機械に剛性が高いものを使用し、油圧送りのものは切削が不安定となるので避けたほうがよい。 |
これらの基本条件が整ったら、次に加工上のポイントとして、バイトの刃先高さを工作物の中心に合わせる。ただし、切削中にびびりを発生しやすい場合や、バイトの突出し量が大きく、たわみが生じやすい場合は、刃先高さを少し高く設定する。 |
そして、バイトは工作物に対し直角に取付ける。直角度が出ていないとバイトの直進性が悪くなり、加工面に曲がりが生じると共に仕上り面も悪くなる。 |
中実丸棒は、工作物の切り残しを生じないように、またパイプ材ではバリを生じさせないように図1のような角度のついたバイトを使用する と効果がある。ただし、このようなバイトを使うとホルダの直進性が悪くなるので、送りを下げる必要がある。さらに、切屑処理性も悪くなることを考慮して使 用しなければならない。 |
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【図】 |
図1 角度の付いたバイト |
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出典:「新マシニング・ツール事典」、(1992年)、野口和夫著、産業調査会編、大河出版発行、367頁 図1.4.2 角度の付いたバイト |
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【応用分野】 |
溝入れ加工、突切り加工用バイト |
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【出典/参考資料】 |
「新マシニング・ツール事典」、(1992年)、野口和夫著、産業調査会編、大河出版発行、366頁~367頁 |
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【技術分類】 |
1-1 外径旋削バイト |
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【技術の名称】 |
1-1-2c 各種クランプバイト(突切り用) |
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【技術内容】 |
クランプバイトは図1のような構造のものが多用される。 |
(a)は3コーナチップを使うことができ、経済的であることから、溝入れ加工の主流となっている。チップの材質も超硬合金、耐摩耗性、耐溶着性に優れたサーメットが多用される。 |
(b)は比較的溝幅が大きく、深い溝の加工に使用されている。 |
(c)は超硬合金ブレードクランプ方式で、超硬合金ブレードは再研削して使用できる。 |
(d)はチップのクランプがホルダのくさび力によって行われ、クランプ強度、切屑処理、最大突切り径、コティング材種の使用など、数々の利点があるため、広く使われている。この(d)タイプのバイトは、ホルダ剛性を向上させるため超硬合金製ホルダが開発されている。 |
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【図】 |
図1 各種クランプバイト |
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出典:「新マシニング・ツール事典」、(1992年)、野口和夫著、産業調査会編、大河出版発行、366頁 図1.4.1 各種クランプバイト |
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【応用分野】 |
溝削り入れ加工、突切り加工用バイトクランプ |
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【出典/参考資料】 |
「新マシニング・ツール事典」、(1992年)、野口和夫著、産業調査会編、大河出版発行、366頁 |
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【技術分類】 |
1-1 外径旋削バイト |
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【技術の名称】 |
1-1-2aa 溝削りバイト用チップの刃物形状 |
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【技術内容】 |
標準的な溝削りバイト用のチップの刃物形状を示す。 |
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【図】 |
図1 浅溝削りバイト用チップ |
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出典:「’03~’04イゲタロイ切削工具」、(2002年11月 JIMTOF)、住友電気工業株式会社発行、239頁 |
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図2 広幅/深溝削り用チップ |
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出典:「’03~’04イゲタロイ切削工具」、(2002年11月 JIMTOF)、住友電気工業株式会社発行、234頁 |
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【応用分野】 |
溝削り加工 |
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【出典/参考資料】 |
「’03~’04イゲタロイ切削工具」、(2002年11月 JIMTOF)、住友電気工業株式会社発行、239頁、240頁 |
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【技術分類】 |
1-1 外径旋削バイト |
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【技術の名称】 |
1-1-2aa 5コーナ使用可能な浅溝加工用チップ(ペンタカット) |
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【技術内容】 |
5コーナが使える特色ある形状をした浅溝加工用チップであり、左右勝手兼用でチップ交換も簡単迅速にできる。高精度溝削り加工、突切り加工、拡溝-横引き加工、面取り加工の4種の加工が可能である。 |
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【図】 |
図1 5コーナ使用可能な浅溝加工用チップ |
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出典:「イスカル総合カタログ2003~2004」、(2002年11月 JIMTOF)、イスカルジャパン株式会社、86頁 |
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【応用分野】 |
高精度溝削り加工、突切り加工、拡溝-横引き加工、面取り加工 |
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【出典/参考資料】 |
「イスカル総合カタログ2003~2004」、(2002年11月 JIMTOF)、イスカルジャパン株式会社発行、86頁 |
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【技術分類】 |
1-1 外径旋削バイト |
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【技術の名称】 |
1-1-2aa 外径小幅溝削りバイト用チップ |
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【技術内容】 |
特徴ある形状により、クランプ力が強く高剛性となっている。 |
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【図】 |
図1 チップ形状 |
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出典:「’03~’04イゲタロイ切削工具」、(2002年11月 JIMTOF)、住友電気工業株式会社発行、230頁 |
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【応用分野】 |
外径小幅溝削り加工 |
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【出典/参考資料】 |
「’03~’04イゲタロイ切削工具」、(2002年11月 JIMTOF)、住友電気工業株式会社発行、230頁 |
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【技術分類】 |
1-1 外径旋削バイト |
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【技術の名称】 |
1-1-2aa 鋳鉄の高速溝加工用チップとホルダ(1-1-2c、4-4-3、5-2-4、8-1) |
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【技術内容】 |
端面の溝削り加工などで、加工中チップの動きが発生しないタイプのチップとしてV底型チップとそのホルダを図1に示す。 |
これは、普通鋳鉄の高速溝削り加工における、端面部の加工に使用されたもので、アルミナをCVDコーティングした窒化珪素系のチップで ある。このチップを使用することによりチップの欠損が防止でき、CVDコーティングにより摩耗の進行が抑えられ、安定して2倍の寿命が得られた。 |
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【図】 |
図1 V底型チップとホルダ |
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出典:「新マシニング・ツール事典」、(1992年)、尾頭勇著、産業調査会編、大河出版発行、374頁 図1.4.18 使用工具 |
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【応用分野】 |
セラミックス系チップ使用による溝加工 |
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【出典/参考資料】 |
「新マシニング・ツール事典」、(1992年)、尾頭勇著、産業調査会編、大河出版発行、373頁~374頁 |
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【技術分類】 |
1-1 外径旋削バイト |
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【技術の名称】 |
1-1-2ab Qカット-5Fブレーカによるバリ・へそ最小化(1-1-2a、4-2-2、5-2-3、6-2-3h、7-2-3、8-1-3) |
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【技術内容】 |
バリ・へその発生を抑えるために、送りを下げるが、低送りでは切屑流れが悪くなり、切屑が発生してしまう。この問題は従来、突切り工程 のバリ・へその発生と切屑に関する問題として指摘されていたが、Qカットチップのマクロ・マイクロジオメトリと切削条件の最適化により、突切り加工におけ るバリ、へそを最小にすることができた。 |
Qカットチップの-5Fブレーカは、基本的にはシャープエッジである が、わずかな残留応力をあたえる特殊な刃先処理により、刃先に靭性 をもたせフロント角を20度までとれるようになっている。さらに、フロント角は0~20度まで、切屑処理ができるように、独特の型押しブレーカ(極めてす くい角が大)形状になっている。-5Fのフロント角20度を使用すれば基本的にはバリ・へそは発生しない。 |
フロント角と寿命の関係について、定量的解析は行なわれていないが、経験的にフロント角20度のチップの寿命は、フロント角0度の約80%程度である。 |
-5Fによる切込み角とピップの関係および-5Fによる切込み角と面粗さの関係(端面)を図1に示す。使用工具と切削条件を図2に、使用工具の形状、寸法を図3に示す。 |
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【図】 |
図1 -5Fによる切込み角とピップおよび面粗さの関係 |
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出典:「SUS403の突切り加工-Qカット-5Fブレーカによるバリ・ヘソ最小化」、「加工技術データファイル 加工事例 No. 2807」、(1996年3月)、(財)機械振興協会技術研究所発行、1/2頁 図1 -5Fによる切込み角とヒップの関係 -5Fによる切込み角と面粗 さの関係 |
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図2 使用工具と切削条件 |
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出典:「SUS403の突切り加工-Qカット-5Fブレーカによるバリ・ヘソ最小化」、「加工技術データファイル 加工事例 No.2807」、(1996年3月)、(財)機械振興協会技術研究所発行、2/2頁 表1 使用工具と切削条件 |
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図3 使用工具の形状、寸法 |
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出典:「SUS403の突切り加工-Qカット-5Fブレーカによるバリ・ヘソ最小化」、「加工技術データファイル 加工事例 No.2807」、(1996年3月)、(財)機械振興協会技術研究所発行、2/2頁 表1付図 使用工具形状・寸法 詳細 |
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【応用分野】 |
SUS304の突切り加工 |
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【出典/参考資料】 |
「加工技術データファイル 加工事例 No.2807」、(1996年3月)、(財)機械振興協会技術研究所発行、1/2頁~2/2頁 |
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【技術分類】 |
1-1 外径旋削バイト |
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【技術の名称】 |
1-1-2d 3次元チップブレーカ(突切り用) |
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【技術内容】 |
突切り加工において、切屑処理性(排出性)を良くするためには、送りをステップ送りにする方法がよく行われるが、3次元チップブレーカ の付いたバイトを使用する方法も良い。3次元チップブレーカの形状を図1に示す。この3次元チップブレーカの付いたバイトは切屑を溝幅より狭くでき、ぜん まい状にすることができる。特に大径の工作物の切断には効果的である。 |
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【図】 |
図1 3次元チップブレーカ |
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出典:「新マシニング・ツール事典」、(1992年)、野口和夫著、産業調査会編、大河出版発行、367頁 図1.4.3 3次元チップブレーカ |
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【応用分野】 |
溝削り加工、突切り加工用バイト |
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【出典/参考資料】 |
「新マシニング・ツール事典」、(1992年)、野口和夫著、産業調査会編、大河出版発行、336頁~367頁 |
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【技術分類】 |
1-1 外径旋削バイト |
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【技術の名称】 |
1-1-2aa 小径突切りバイト用チップとホルダ(1-1-2c) |
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【技術内容】 |
小径突切り用に開発された縦型2コーナ使いチップであり、円弧ブレーカで切れ味、切屑排出性が良好である。また、ビス止めクランプ方式により、ビスを緩めるだけでチップ交換が可能である(背面からも操作できる)。切削抵抗が小さく、仕上げ面でのへそ残りも小さい。 |
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【図】 |
図1 小径突切りバイト用チップとホルダ |
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出典:「’03~’04イゲタロイ切削工具」、(2002年11月 JIMTOF)、住友電気工業株式会社発行、252頁 |
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【応用分野】 |
突切り加工 |
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【出典/参考資料】 |
「’03~’04イゲタロイ切削工具」、(2002年11月 JIMTOF)、住友電気工業株式会社発行、252頁 |
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【技術分類】 |
1-1 外径旋削バイト |
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【技術の名称】 |
1-1-2c 突切り・溝削りバイト用チップホルダ(4-4-1、4-4-2、4-4-3、8-1-1、8-1-3、8-2-3) |
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【技術内容】 |
ニッケル基合金や焼入れ鋼のような難削材の溝加工や鋳鉄の仕上げ溝加工にはセラミックス系のチップが使用され、高速溝加工が実現されている。高速溝加工ではチップ材質のみならず、ホルダの形状も工夫されている。 |
図1に示すホルダは、窒化珪素基セラミックス系のチップ(チップ形状:SNG644)でNi基合金INCO718を溝加工したときに使用されたホルダである。高速で安定して加工ができるように、V底120°タイプで剛性のあるものにしている。 |
図2に示すホルダは、アルミナ―炭化物系セラミックスのチップでSCr420鋼の焼入れ材を仕上げ溝加工したときに使用されたホルダである。外周をポジタイプとしてクランプし、チップがホルダの壁面に押し付けられ、チップの剛性が上げられる構造となっている。 |
図3に示すホルダは、アルミナ基セラミックスのチップで鋳鉄の高速仕上げ溝加工したときに使用されたホルダである。クランプ精度を高めるためにチップの基準面である側面をホルダに押し付け、さらに上方からクランプするというダブルクランプ方式にしている。 |
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【図】 |
図1 ホルダ(V底120°のホルダ) |
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出典:「新マシニング・ツール事典」、(1992年)、尾頭勇著、産業調査会編、大河出版発行、369頁 図1.4.6 ホルダ |
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図2 ホルダ |
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出典:「新マシニング・ツール事典」、(1992年)、尾頭勇著、産業調査会編、大河出版発行、371頁 図1.4.9 ホルダ |
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図3 ホルダ |
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出典:「新マシニング・ツール事典」、(1992年)、尾頭勇著、産業調査会編、大河出版発行、372頁 図1.4.14 ホルダ |
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【応用分野】 |
突切り/溝削りバイト用ホルダ(難削材用) |
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【出典/参考資料】 |
「新マシニング・ツール事典」、(1992年)、尾頭勇著、産業調査会編、大河出版発行、367頁~372頁 |
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【技術分類】 |
1-1 外径旋削バイト |
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【技術の名称】 |
1-1-2c 突切り・溝削りバイト用チップクランプ部 |
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【技術内容】 |
本クランプ部は、25㎜を超える深溝加工や50㎜径以上の丸棒の突切り加工などの過酷な溝入れや突切り作業においても高性能を発揮する バイト用クランプ部である。クランプ部を図1に示す。チップは独自の方法でクランプされる。そのクランプ剛性とホルダ剛性によって刃先の繰返し精度を維持 し、切削抵抗によるチップのもぐり込みを防いでいる。また、すくい面上のシャンクの出っぱりが少なく、切屑が速やかに排出される。 |
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【図】 |
図1 チップクランプ部 |
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出典:「新マシニング・ツール事典」、(1992年)、小嶋洋一著、産業調査会編、大河出版発行、379頁 図1.4.32 チップクランプ部 |
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【応用分野】 |
突切り加工用ホルダ |
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【出典/参考資料】 |
「新マシニング・ツール事典」、(1992年)、小嶋洋一著、産業調査会編、大河出版発行、379頁 |
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【技術分類】 |
1-1 外径旋削バイト |
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【技術の名称】 |
1-1-2c 突切り/溝削りバイトの刃物クランプ方式 |
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【技術内容】 |
突切り/溝削りバイト用のホルダーへのチップクランプ方式には多くの方式がある。 |
(1)L69のようにホルダーのクサビに直接クランプさせる方式 |
(2)K4dのようにビスやねじで固定する方式 |
(3)押え金具を用いる方式(図1) |
(4)ホルダーのクランプ力をねじで調整する方式(図2) |
などがある。 |
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【図】 |
図1 押え金具を用いるチップクランプ方式 |
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出典:「’03~’04イゲタロイ切削工具」、(2002年11月 JIMTOF)、住友電気工業株式会社発行、254頁 |
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図2 ホルダーのクランプ力をねじで調整する方式 |
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出典:「イスカル総合カタログ2003~2004」、(2002年11月 JIMTOF)、イスカルジャパン株式会社発行、121頁 |
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【応用分野】 |
突切り加工、溝削り加工 |
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【出典/参考資料】 |
「’03~’04イゲタロイ切削工具」、(2002年11月 JIMTOF)、住友電気工業株式会社発行、252頁 |
「イスカル総合カタログ2003~2004」、(2002年11月 JIMTOF)、イスカルジャパン株式会社発行、121頁 |
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【技術分類】 |
1-1 外径旋削バイト |
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【技術の名称】 |
1-1-2f 制振合金利用の工具シャンクによる動剛性の向上(7-1-1、7-1-2、8-1-2) |
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【技術内容】 |
本技術は、実切削におけるびびり振動に対して、高減衰能を有する制振合金と高剛性材料の超硬合金をサンドイッチ構造にした工具シャンクの有効性を検討したものである。 |
使用した工具シャンクの形状を図1に示す。その構造は超硬合金D2と制振合金(Fe-12%Cr-2%Al系フェライト系ステンレス鋼)のサンドイッチ構造および一体構造の2形式で、その組み合わせとサンドイッチ構造の断面形状を図2に示す。 |
横型のサンドイッチ構造の工具シャンクに関して、切込み0.6mmにおける切削速度と主分力方向の工具振動振幅の関係を図3に示す。外 側(A部材)に超硬合金、内側(B部材)に制振合金を組み合せた横型の複合工具シャンクは、高い静剛性と高い減衰能を兼備するので、超硬合金による一体構 造の工具シャンクに比べて動特性を著しく改善することができ、びびり振動を抑制して安定切削領域を大幅に拡大することができる。 |
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【図】 |
図1 工具シャンク形状 |
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出典:「制振合金による複合工具シャンクの動剛性向上について」、「精密工学会誌 53巻 2号」、(1987年)、北嶋弘一、田中行雄、中村順、有本浩著、精密工学会発行、82頁 Fig.3 Complex tool shank |
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図2 サンドイッチ構造の工具シャンクの断面形状(横型、縦型)と制振合金と超硬合金の組合せ |
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出典:「制振合金による複合工具シャンクの動剛性向上について」、「精密工学会誌 53巻 2号」、(1987年)、北嶋弘一、田中行 雄、中村順、有本浩著、精密工学会発行、81頁 Fig.1 Section of complex shank、82頁 Table1 Materials of tool shank |
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図3 工具振動振幅と切削速度の関係 |
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出典:「制振合金による複合工具シャンクの動剛性向上について」、「精密工学会誌 53巻 2号」、(1987年)、北嶋弘一、田中行 雄、中村順、有本浩著、精密工学会発行、84頁 Fig.9 Relation between cutting speed and amplitude of tool shank |
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【応用分野】 |
外径旋削バイト |
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【出典/参考資料】 |
「制振合金による複合工具シャンクの動剛性向上について」、「精密工学会誌 53巻 2号」、(1987年)、北嶋弘一、田中行雄、中村順、有本浩著、精密工学会発行、80頁~86頁 |
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【技術分類】 |
1-1 外径旋削バイト |
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【技術の名称】 |
1-1-2h 突切り/溝削りバイト加工時の給油方式(7-2-3n) |
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【技術内容】 |
突切り/溝削りバイト加工時の給油方式にはクランプホルダの内部を通してチップ下方から給油する方式(図1)と、クーラントアダプターをホルダーブロックに取り付け斜め上方から吹きつける方式(図2)とがある。 |
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【図】 |
図1 突切り/溝削りバイト加工時の給油方式(1) |
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出典:「イスカル総合カタログ2003~2004」、(2002年11月 JIMTOF)、イスカルジャパン株式会社発行、65頁 |
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図2 突切り/溝削りバイト加工時の給油方式(2) |
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出典:「サンドビック・コロマント切削工具2003~2004」、(2002年11月 JIMTOF)、サンドビック株式会社発行、B091頁 |
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【応用分野】 |
突切り加工、溝削り加工 |
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【出典/参考資料】 |
「イスカル総合カタログ2003~2004」、(2002年11月 JIMTOF)、イスカルジャパン株式会社発行、65頁 |
「サンドビック・コロマント切削工具2003~2004」、(2002年11月 JIMTOF)、サンドビック株式会社発行、B091頁 |
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【技術分類】 |
1-1 外径旋削バイト |
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【技術の名称】 |
1-1-2 MQLによる旋削加工(4-2-2、5-2、8-1-3、7-2-2k) |
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【技術内容】 |
本例は、従来の切削液供給形態を見直し、切削液の作用を十分達成しつつ、ごく少量の切削液を供給する極微量切削液供給法を提案するものである。 |
使用した極微量切削液供給システムを図1に示す。極微量の切削液を性格に供給するため、高速軸受潤滑において利用されるオイルエア潤滑 ユニットを適用した。切削液は、タイマによって一定間隔で作動すポンプで送られ、ミキシングバルブ内に送られる。同バルブ内では定量の切削液が圧縮空気中 に混入され、配管内に付着する。付着した切削液は、圧縮空気によって吐出口に送られるうちに、次第に平滑化され、吐出口では一定の微量の切削液が吐出す る。切削液を効果的に供給するため、図2に示すように、供給管(供給ノズル)をシャンクの部分で二股に分け、一方を工具すくい面と切屑との間に、もう一方 を工具逃げ面と加工物との間に切削液を供給するように配置した。供給管の吐出口は、切れ刃先端部分から20mmの部分に配置した。 |
本システムの基本特性は以下の通りである。空気供給圧力は0.6Mpa、切削油吐出量は0.01、0.03、0.06、0.10、0.16cm3/stroke、ポンプ作動間隔は1,2,4,8,16,32min、パイプ径は2.0mmである。 |
工具横逃げ面摩耗におよぼす切削液供給量の影響を図3に示す。本極微量切削液供給法は逃げ面摩耗の抑制に普通給油法と同程度の効果を発揮する。 |
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図1 極微量切削液供給システム |
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出典:「極微量切削液供給による旋削加工」、「日本機械学会論文集(C編) 62巻 604号」、(1996年12月)、佐藤潤幹、稲崎一郎、若林利明著、日本機械学会発行、272頁、Fig.1 Oil-air supply system |
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図2 供給ノズル |
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出典:「極微量切削液供給による旋削加工」、「日本機械学会論文集(C編) 62巻 604号」、(1996年12月)、佐藤潤幹、稲崎一郎、若林利明著、日本機械学会発行、273頁、Fig.2 Supply nozzles |
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図3 工具横逃げ面摩耗に及ぼす切削液供給量の影響 |
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出典:「極微量切削液供給による旋削加工」、「日本機械学会論文集(C編) 62巻 604号」、(1996年12月)、佐藤潤幹、稲 崎一郎、若林利明著、日本機械学会発行、275頁、Fig.11 Influence of cutting fluid on tool wear |
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【応用分野】 |
旋削加工(極微量切削液供給) |
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【出典/参考資料】 |
「極微量切削液供給による旋削加工」、「日本機械学会論文集(C編) 62巻 604号」、(1996年12月)、佐藤潤幹、稲崎一郎、若林利明著、日本機械学会発行、272頁~277頁 |