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切削加工
金属加工技術でいままでに学んだものは、非切削加工に属す
るもので、今後学ぶ技術は切削加工についてとなる。
整理すると
非切削加工
可融性利用:鋳造、溶接、ガス、アーク切断、
電気加工(放電加工等電気エネルギーを利用)
展延性利用:塑性加工(鍛造、圧延、プレス加工、引き抜
き、押し出し、転造)
切削加工:被削性利用(刃物工具によって不要個所
を切りくずとして除去出来る性質)
:切削、研削等
**** 切削加工の定義:
工作機械で行なわれる加工のうち、刃物で切削しあるいは砥
石で切削する場合のように素材の不要部分を切りくずとし
て除去する加工法を切削加工という。

切削加工では、工作機械そのものの性能と切削工具がその製品精
度を左右する。
従って、工作機械の特徴、構造、加工様式、及び使用される工具に
ついて学ぶ。
切削加工の特徴は
寸法、表面粗さ等比較的高精度の加工が出来る点にある。
(1)切削加工の形状や切削工具と工作物の運動の関係を理解。
切削加工の特徴を把握。
(2)切削工具材料の種類と用途・特徴を知り,加工条件にあった
工具を選択できるようにする。
(3)工作物が削られるときの刃部形状や切削条件と切りくずのでき
方を理解。
切削熱の発生や構成刃先,ひびり振動の原因。
切削油剤の作用と種類,工具の磨耗と寿命。
などを理解する。
(4)精度は,切削工具,切削条件ばかりでなく工作機械の精度にも影
響される。そのための工夫を理解する。1 切削加工
1-1 鉛筆を削る
a)の方が削りやすい
ナイフの角度α、α’を
すくい角という。
すくい角は大きいほど削る
力が少なくてすむ。
鉛筆を尖らせるには、刃
先を接触させ、回しながら
鉛筆を移動する。
削るという動作
刃先をあてがう。
工作物を移動させる
回転させる
切削加工には刃先の形状、当て
方、削る速さ、送る量、回転

1-2 切削加工の仕組み
図6-2は切削状態
刃物を押し込んで、移動させ
ることで、工作物から、余分な
部分を分離して刃物のすくい面
に沿って除去された切りくずが
排出される。
切削状態の各部の名称を覚える
切削に用いられる刃物は切削工
具あるいは工具と呼ばれる。
仕上げ面形状や工作物の材質、
切削方式によって各種の工具が
ある。切削運動は,刃物で工作物から切りくずを削りとる運動である
・刃物と工作物の相対速度を切削速度という。
・送りは,刃物を工作物の削ろうとする部分へ移動させる運動
その速さを送り速度という.
・切り込みは,工作物を必要な寸法に加工するために刃物を工
作物に押し込む運動
押し込む量を切り込みまたは切り込み深さという.
切削速度,送り速度,切り込み
・仕上面の状態
・寸法精度
・加工能率
に大きな影響を与える重要
な切削要件2. 切削加工のいろいろ
2-1 旋削
工作物を回転させ、刃物で円筒形の部品を作る加工を旋削という。
この加工に使用される工具をバイト、工作機械を旋盤という。旋削でできる作業および、作業に用いられるバイトの形状と用途によ
る種類を図1に示す。旋盤作業の種類バイトの構造による分類
a)付け刃バイト(切り刃部分をろう付け)
b)差し込みバイト(ホルダーを共用しバイトの大きさを節約:高速度鋼)
c)クランプバイト(切り刃をろう付けせずクランプ:超硬、セラミック)
d)スローアウエイ(超硬バイト:チップをボルトで固定、使い捨て)
e)むく刃バイト(一体形:高速度工具鋼ではこのタイプ)主切れ刃、副切れ刃、主逃げ面、副逃げ面、コーナ、コーナ半径、
すくい面、前逃げ角、横逃げ角等でJISではこの記載順序が
規定されて居る。
主切れ刃に平行な断面:平行すくい角γp
すくい角がもっとも切れ味に影響
” 垂直な断面:垂直すくい角γf
前逃げ角:副切れ刃の逃げαp
横逃げ角:主切れ刃の逃げαf
副(前)切れ刃角: 副切れ込み角η
主(横)切れ刃角: 90-切れ込み角κ
コーナー半径: Rバイトの角度表示:0, 6, 6, 6, 15, 15, 0.5 などと表示する。
γp γf αp αf η κ Rすくい角:
大きいほど切りくずの流れが良く切れ味が良い。しかし大
きすぎると刃が欠損しやすくなり、断続切削でバイト寿命が
極端に短くなる。
逃げ角:
工作物とバイトの摩擦を少なくするために設ける。小さす
ぎると磨耗を早める
切り込み角:
バイトに背分力を与え、横送り台の送りねじのバックラッ
シュを除き、あんていした切削を可能にする。
副切り込み角:
大きすぎると刃先が欠損しやすく、小さいとびびりが生じ
やすい。
コーナ半径:
外丸削りや中ぐり用バイトのコーナ半径は理論的に大きい
ほど仕上げ面は良好になる。2-2 平削り・形削り2-3 穴あけ
** チゼルエッジ
ドリル先端の中心部すなわち2枚に切れ刃をつなぐ部分
チゼル角は一般に鈍角→切れ味が悪くなる。
ドリルの切れ味をよくする→
先端のチゼル角を小さくしてやる
太い穴:小さな下穴を開けてから。
シンニング
この部分を小さくすると剛
性が低下して先端切れ刃の
破損を引き起こす。
ドリルの軸方向送り力の
50%はこのチゼル部分で消
費されるので剛性の許す限
りチゼル角を小さくするた
めにシンニングを行う。** ねじれ刃(ツイスト)ドリル:
先端の切れ刃を起点として二筋のねじれ溝をもつ。
ねじれ溝:・大きなすくい角
・コンベアの役目
** ガンドリル
銃身のように極めて深い穴をあけるために用いるドリルをガン
ドリルという。
** フラットドリル
簡単な構造のため、規格に無い穴径をあける場合に製作も可
能である。
彫刻用ドリル
非金属材料や軽合金用
ドリルとして利用される。2-4 フライス削り
フライス削りと平削りの比較
フライス削りは、外周または端面に複数の切れ刃を持った工具を
回転させて工作物を加工する回転切削。
平削りは一つの切れ刃をもった工具(バイト)を固定し、工作物
を往復させ加工するというストローク切削である。正面フライスと平フライスの比較
(1)平フライスは通常,横フライス盤のアーバに工具を取り付
けて加工がおこなわれるのに対し,正面フライスは工具の取付
け,取りはずしが簡単で,短時間ですむ。
(2)1枚の刃が1回転する間に削る距離は,正面フライスのほう
が長く切削効率もよい。
(3)正面フライスのアーバは短いので,強度も平フライスに比
べて大きく,重切削に耐えて振動も少ない。
(4)フライスの製作と再研削の点でも正面フライスのほうが
有利。上向き削りと下向き削り
上向き削りは実際,工作物の上を滑ってから切り込むから,
摩擦によって切れ刃の寿命が短くなる。工作物の表面は,通常
加工硬化しているのでとくに摩擦が激しい。
下向き削りでは,初めの切込みが大きいので、逃げ面と工作
面の表面との摩擦がほとんど生じない。
このため加工能率が高く,また動力も少なく,薄物も削れ,さ
らに切削箇所の熱変形が少ない。一般に下向き加工が多く採用
されている。■リーマ
マシン(チャッキング)リーマとハンドリーマ
食いつき部の違い
・穴の表面粗さ及び寸法精度の向上が目的
・切削速度はドリルより小さく、
・削代は0.05から0.5mm■タップ・ダイス
食いつき部の長さによって先タップ・中タップ・上げタップ
の3種類がある。3 工具材料のいろいろ
3-1 高速での使用に耐える
高速:刃先温度の上昇、高温での硬度低下
1)切削工具材料の条件
・かたさが高温になっても低下しない
・靭性(粘り強さ)が大きい
・耐摩耗性が大きい
・所要の形状に作り易い。
・安価で入手しやすい。
かたさと靭性は相反する性質a)炭素工具鋼
・C0.6-1.5% P,Sの少ない良質の炭素鋼
・切削工具用には1.0-1.5%の炭素工具鋼が使用される。
・炭素鋼は安価であるが焼き入れ性は低い。
・温度上昇による硬さの低下が大きい。
リーマ、タップ、やすりなど低速切削工具に利用
b)合金工具鋼
・焼き入れ性改善のためにCr、W、Ni等を加えたものが
合金工具鋼である。
・300゜C位で急激に軟化するので、低速切削用以外には用
いられない。
帯のこ、たがね、ポンチなどの耐衝撃用工具
冷間金型、熱間金型に利用c)高速度工具鋼
・W系とMo系があり、
W系:W18%、Cr4、V1、Co、
Mo系:W7-8%、Mo10%、Cr,V,Coなど
・600゜Cくらいまで軟化しない。
・切削速度と刃先温度50-100M/min
・超硬より靭性が大きく
・製作や再研削が容易
等の特徴がある。
開発は1900年ころ
炭素工具鋼、合金工具鋼、高速度鋼いずれも焼き入れ、戻
しの熱処理が必要である。d)超硬(cemented carbide alloy)
焼結合金:金属粉末を圧縮成形した後、高温で焼き固めた合金
1925年ころ
WC(タングステンカーバイド)系超硬:
K系: WC-Co 短い切りくずの出る材料
P系: WC-(TiC、TaC)-Co(K系より硬く耐磨耗性に富むが靭性
は劣る)連続した切りくずの材料
M系: WC-(TiC,TaC)-Co (両者の中間的性質)
いずれの状態にもなる材料
・高速度工具鋼より常温、高温ともに硬く耐摩耗性に優れる。
・切削速度は100-150m/minで高速切削に適するが靭性は
高速度鋼よりも劣るので用途によって適切な選択が必要
である。e)セラミック(ceramic)
アルミナ(Al2O3)の粉末にTiCの微粉末を混合して焼結
1955年ころ開発
・常温、高温ともに超硬より硬く、
・高温1500゜cまで軟化しない。
・耐摩耗性が大きく高速切削を可能とするが靭性は小さく
断続切削には不向き
・使用する工作機械は高速回転で振動の無い精密な軸受けをもっ
たものが要求される。
・切削速度は350m/min程度f)サーメット(cermet)
超硬はWCを主成分
・サーメットはTiCをベースにNi,Moを10%で焼結したもの。
1960年ころ開発
サーメットとよぶよりもむしろ、TiC系超硬である。
海外では超硬(WC系、TiC系)の分類が一般的
TiCはWCよりも耐摩耗性、耐熱性、耐溶着性で勝る。
・セラミックとWC系超硬の中間をうめる工具材料である。
・常温の抗折力130-190kg/mm2 超硬160-230kg/mm2 より劣
るがセラミックの30-100kg/mm2より優れる。
・切削速度は250m/min程度で超硬とセラミックの
中間程度である。g)ダイヤモンド(diamond)
切削用ダイヤモンド工具
・人造ダイアと天然ダイア及び人造ダイアの粉末を焼結して作る
焼結ダイアの3種類
・工具の中では最も硬いが脆いため、高速軽切削向きで衝撃のあ
る切削には向かない。
・耐熱性が低く鉄と反応しやすいことから、利用される被削材は
非鉄金属やガラスやその他の硬質非金属材料が多い。
・単結晶ダイアは切れ刃を鋭く出来るので、微少送りで高速切削
を行なえば容易に鏡面が得られる。
・焼結ダイアは単結晶に比べ硬さは劣るが形状の自由度があり
種々のバイト形状の加工が可能。
・ダイアモンド工具の再研磨は難しく高価であるのが欠点。h)立方晶窒化ほう素(cubic boron nitride:CBN)
製造工程
六方晶窒化ほう素--->超高圧合成--->
立方晶窒化ほう素--->超高圧焼結---> CBN工具
結合材1350℃ 5万気圧
CBNは鉄系材料と反応しないので高硬度材料に対する切削に
利用
CBNは靭性が十分では無いので切削条件を軽くして衝撃力を
制限する。切削工具の進歩
2.寿命を延ばす(p.108)
セラミックコーティング工具
超硬工具や高速度鋼工具の表面にTiC,TiN(窒化チタン),
A1203(酸化アルミニウム)などを数ミクロンの厚さに被覆した
ものである。
この工具の特徴は,
・高速・高送りが実現して高能率が得られる,
・高温・高圧の条件下でサーメットに比べてへたらず腰が強い,
などであるが,
欠点としては,
・極端な断続切削には適さない
・仕上面粗さがいまひとつで,仕上切削に向かない。
焼結ダイヤモンド
焼結ダイヤモンド:ダイヤモンドの粉末をコバルトを媒介にし
て,超高圧下で焼き固めたものである。
この焼結体をチップとして,台金にろう付けし,研削して工具とな
る。台金には超硬や鋼などが用いられる。(図6-18参照)
焼結ダイヤモンドの硬さはセラミックスに比べて格段に硬い。
したがって耐摩耗性が非常にすぐれており,長寿命高精度加工の
点で数倍の性能を有する。
焼結ダイヤモンドは非鉄金属,非金属の切削に適している。
欠点としては,鉄とは親和性があるため被削材が鉄系材料の切
削工具として適さないということである。焼結立方晶窒化ほう素
cBNの粉末をCoを媒介にして超高圧下で焼結したもの。
焼結ダイヤモンドと同じ方法でバイトとしたもの。
約1200℃でも安定しており、鋼との反応が少ないので、鋼の切削加
工に使用される。
切削速度と送りの関係
4 よりよい切削加工をするために
切削理論の目的:モデルを簡略化して、物理的、数学的関係
式を作りよりよい切削のための手掛かりを得る。
被削性の評価項目
1)切りくず形態と処理性
2)切削抵抗と切削動力
3)工具損耗と工具寿命
4)仕上げ面性状と加工精度
これらの項目はお互いに独立しておらず密接に影響しあっている。
被削材
切削条件
切屑生成切削抵抗工具磨耗仕上げ面性状
切削温度製品
切りくず形態によって切削抵抗の平均値や変動成分が変化
・工具の摩耗やチッピング(欠損)に影響
・仕上げ面粗さ
・摩耗した工具
・切削抵抗の増大
・切削温度上昇
・切りくず形態の変化
相互の影響は複雑微妙だがその流れは
被削材
切削条件
切屑生成切削抵抗工具磨耗仕上げ面性状
切削温度製品
4.2 切りくずを観察する
切りくずは、単に排出されるべき切削加工の結果では無く、
切削過程を反映する情報源でもある。
即ち、切りくずを観察するだけで、その加工状態の良否が判
断出来るといっても過言ではない。
切削理論技術用語
せん断面
せん断角切りくず形状
***切りくず形態は被削性の全項目に関連
特に切りくずの処理性を直接左右する。
切りくずが工具や被削材に絡みついたり、堆積したり、飛散し
たりすると事故や加工精度低下の原因となる
切りくずの処理性は生産性、作業性、安全性、自動化の障害など
の点から解決されなければならない問題である。
大きく分類
連続形、不連続形(せん断形、むしれ形、亀裂形)、構成刃先
1)連続形(流れ形)切りくず(flow type chip)
巨視的に連続している切りくず
微視的には亀裂や局部的な破壊を伴っていても全体
として連続している
せん断変形(ずれ変形)が短い間隔で連続して発生
・切削抵抗の変動が小さく、
・工作機械の振動も少なく
・仕上げ面も良好
流れ型切りくずのできる条件
刃部に加わる力に変動がなく,なめらかな仕上げ面が得られる
最も望ましい形で,次のような切削条件のときにできやすい。
1)工作物の材質が炭素鋼や鋼のように延性に富む。
2)切削工具のすくい角が大きい。
3)切りくずの切取り厚さが小さい。
4)切削速度がはやい。
5)切削油剤の潤滑作用がよい。
せん断型切りくず(shear type chip)
図のように,刃先の進行につれて,切りくずとなる部分が変形
したのちに,せん断面に沿ってせん断が起こる。
このような過程が一定の周期で繰り返され,切りくずは短くなり,
流れ形のようにきれいにはつながらない。
仕上げ面は流れ形より劣る。せん断型きりくずのできる条件
1)工作物の材質が,六四黄銅やホワイトメタルのように,せん断に
よる破壊が起こりやすい場合。
2)工作物の材質が延性に富み,次のような場合,
(ア) 切削工具のすくい角が小さい。
(イ) 切りくずの切取り厚さが大きい。
(ウ) 切削速度が遅い。
(エ) 切削油剤の潤滑作用がわるい。
切削条件を変更すると、流れ型に変わる可能性がある。
裂断形切りくず(crack type chip)
図のように,刃先が工作物に食い込むと,切りくずとなる部分がわ
ずかに塑性変形をしたのちに,せん断すべりを生じないで、
工作物にき裂が生じて切り離される。
ねずみ鋳鉄のようにもろい材料のときにできやすい。
以上は大別した形の分類で,実際の作業の場合には,これらの中
間的なものも多くみられる。
切削条件による切りくずの形態の違い
構成刃先の発生
構成刃先とは、炭素鋼や六四黄銅などを比較的低切削速度
(50m/min前後)で切削した時、刃先回りに被削材の一部が付着、
堆積し、それがあたかも刃先に成り代わって切削作用をする現象
構成刃先が生じると、実質的なすくい角や切り込み量が変化し
たり、脱落して仕上げ面性状を悪化させたり、工具損耗の原因と
なるなど、有害な点が多く古くから研究されてきた。
構成刃先の発生条件
1)工具材料と凝着を起こし
やすい化学的親和性がある。
(ハイスと鋼、ダイアモンドと鉄)
2)加工硬化を示す被削材
3)凝着を促進し、しかも軟化
させない切削温度(切削速度)
で切削する。構成刃先の防止法
1)切削温度(切削速度)を上げて構成刃先が生じても軟化する
工具刃先温度とする。但し、工具寿命は短くなる。
加工硬化が軟化する温度は、
(炭素鋼500-600゜ Alで230゜ ステンレス650-750゜)
炭素鋼では切削速度100m/minで消滅する(このとき刃先温度
は800゜以上) 切削速度の増加は工具寿命に大きく影響
2)凝着は高温高圧と親和性からおこるので、被削材と使用工
具の親和性の悪いものを使用する。
鋼については炭素工具鋼、ハイス、超硬、サーメット、セラミックの順
に親和性が小さくなる。
3)工具形状(主にすくい角)を大きくすれば、すくい面上の高温
高圧条件が緩和され凝着が起こりにくくなるが刃先の欠損が起
こりやすくなる。
*** びびり振動***
びびり振動には、
1. 工作機械・工作物・工具等の回転するものの不釣り合い
(回転バランス)
2. フライスなどの回転多刃工具の衝撃的切削抵抗などに基づく
強制振動
3. 切削過程によって生じる自励振動(共振現象)がある。
前者(回転バランス)は比較的振幅も小さく、その原因や対策も容
易であるが、後者(強制振動、共振現象)は原因が極めて複雑で
対策も難しい。
最近では、振動解析がコンピュータで精度良く早く解析出来るので対策
も立てやすくなってきている。
びびり振動の原因
1)工作物の剛性が小さい(工作物が細長かったり、薄肉の場合)
2)工作物の取りつけ剛性が小さい
3)工作物の回転バランスが悪い
4)工具及び工具保持具の剛性が低い
(バイトが細い、突き出しが大きい、フライスアーバが細い、スパンが長
い、中繰り棒が細い、スパンが長いなど)
5)工作機械の据え付け不安定
6)主軸受けや案内面の精度や調整が悪い
7)工作機械の回転部分のバランスが悪い
8)切削速度の不適正
(一般に遅くすると良い場合が多いが、ときには早い方がよい場
合もある)
9)切削幅が大きく、切り取り厚さ(切り込み)が大きい
3 切削時に作用する力
切削抵抗の平均値及び変動成分は、
・切削動力
・工具寿命
・仕上げ面の性状
にも大きな影響を持つため重要な数値である。
過大な切削抵抗は
・工具の脆性損傷の原因
・切削熱を上昇させ工具寿命を短くする。
・仕上げ面を劣化させる
・工作機械、工具、被削材にびびり振動を与える
・加工精度に大きく影響する。
従って、切削の良否を判定するために切削抵抗の測定は重要
な改善のための情報を与えてくれる。切削抵抗
・主分力
・背分力
・送り分力
これらの合力Fがバイトに働く切削
抵抗となる。
このうち主分力が他の2つに比べ
て非常に大きいので、通常の計算
にはこの主分力を用いてよい。
削抵抗を測定することにより
1)切削状態の情報を得る
2)工作機械の所要動力計算
3)工具や治具の設計
4)切削状態の監視と制御
5)最適切削条件の決定
所要動力の計算
切削抵抗の主分力がわかれば所要動力が計算で求められる。
a)主運動が回転運動の時
V=πDn/1000 (m/min)
単位D(工具径または工作物直径):mm
n(主軸回転数):rpm
V(切削速度):m/min
切削動力P(kw)は
P=F・V/60
=πDn/60×1000
F:切削抵抗(KN)
V:切削速度(m/min)
b)主運動が直線運動のとき
n:切削工具の往復回数回/min
L:工程の長さmm
a:一往復に要する時間に対する切削
工程の時間比3/5-2/3
V=n・L/1000・a (m/min)
∴n=1000V・a/L (回/min)
フライス削りでは、切削速度を
f = fz・z・n
fz:フライス1刃あたりの移動量(mm/刃)
f :テーブルの1分間当たりの移動量(mm/min)
Z:フライスの刃数
n:フライス回転速度( n(rpm)=1000v/πD )考えよう
1. 直径50mmの丸棒を、旋盤の回転速度460rpmで切削したときの
主分力を測定したところ、980(N)であった。切削動力P(kw)を求
めてみよう。
2. 長さ80mmの丸棒を、送り0.06mm/rev、主軸の回転速度500rpm
で旋削する場合、切削に要する時間を求めてみよう。
3. 直径75mmの平フライスで、切削速度60m/min、刃数8枚、1刃あた
りの送り0.5mmとして工作物を削るとき、フライスの回転速度と1
分間当たりの送りを求めてみよう。
〔ヒント〕まず回転速度nを求めよう。その後(3)式を使う
                   f = = 〔/ 〕         
     1分間当たりの送り量 f =f z・z・  より
= 〔〕
π

π・d
 3. 平フライスの回転数  =
    送るには   〔〕/ 〔/ 〕= 〔〕
 2. 一分間当たりの送り量   〔/ 〕〔〕= 〔〕
= 〔k 〕
π 〔〕〔〕
     = 〔k 〕
  に代入

dn
 1. ・
考えようの解答例
0.5 8 255 1020 mm min
n
255 rpm
75
n 1000 V 1000 60
80mm 80 mm 30 mm min 2.7 min
0.06 mm rev 500 rpm 30 mm/min
1.18 W
60 1000
P 0.98 N 50 mm 460 rpm
60 1000
P F
× ×
×
× ×
×
×
× ×
∴ ×
π
=
⋅ ⋅
4. 切削条件を決める
切削速度と主軸回転速度
ハイスで、直径35mmの軟鋼製丸棒を荒削りする場合の主軸回転
数を求める。
切削速度:40m/min
v=πdn/1000
n=1000v/πd
=364rpm
旋盤の回転数表から
近い値の回転数を選ぶ
切り込みと送り
能率向上切り込み・送りを大バイトのたわみ
バイト寿命・精度に影響
荒削り後仕上げ削りを行う。
荒削りと仕上げ削り
の切り込み送りの数値5 切削液をかける
切削油剤の使用目的
1)潤滑作用:
熱の発生防止、すくい面の磨耗防止、構成刃先の発生防止
2)冷却作用:
工具刃先温度の冷却(寿命延長)、工作物の温度上昇防止
3)洗浄作用:
切りくずの排出、表面粗さの向上
切削油剤の望ましい性質
1)人体に無害
2)工作物や機械を錆びさせない
3)発火・発炎などの危険が無い
4)腐敗、変質など性質の変化が無い
5)安価で容易に手に入る
6 刃物の磨耗を観察する
抵抗が増加し、仕上げ面性状にも影響する。
こうなると、工具を再研磨したり、スローアウエイタイプでは刃の交
換を行なう。
そのためには、適当な方法で工具の寿命を判定する必要がある。
1]刃部の摩耗
刃部の摩耗には2種類あり、
・すくい面摩耗
(またはクレータ摩耗)
・逃げ面摩耗
(またはフランク摩耗)
工具寿命の一般的方法
逃げ面摩耗の幅VB 0.4mm
クレータ深さKT 0.05~0.1mmに達したとき。
TAYLORの寿命方程式
VTn=C の求め方
VT0.14=145の場合(高速度鋼) V=145/T0.14
V10 :寿命T=10分の切削速度105m/min
V60 : T=60 82m/min
V90 : T=90 77m/min
V360: T=360 64m/min
切削速度が4割下げれば、寿命は36倍となる。
切削速度は工具寿命におおきな影響をもつことが分かる。仕上げ面を観察する
送り量を小さくすればする程、
粗さは小さくなる
旋盤の場合
理論表面粗さRth=f2/8r
f:送り
r:ノーズ半径
8r

     = 

・・=
<<1  ≒
+r - ・・+

+(r- ) =

r =
2 2

th

th
2 2




th th
th th th
R
4
2 r R
R R 0
2 r R R
4
R
2




実際の表面粗さはRthに
R1:塑性変形による盛り上がり
R2:工作物とバイトの相対変位(振れ回り)
R3:構成刃先による切り込みの変動を加えて、
R=Rth+R1+R2+R3 として得られる。
フライスの場合
Hd:下向き削りの粗さ
Hd=S2/8(D/2-S・z/π)
Hu:上向き削りの粗
Hu=S2/8(D/2+S・z/π)
S :一刃当たりの送り
D :フライス直径
z:フライスの刃数
Hu
Hd
5 超精密切削への発展
1 超精密切削加工とは
最近の精度: 形状精度・寸法精度で0.1μm
仕上げ面粗さ: 0.01μm
精密加工には・剛性(変形しない)の高い工作機械
・回転精度(軸受け)
軸受けの工夫
静圧軸受け3 バイトの刃先を観察する(p.118)
単結晶ダイヤモンド
超精密切削加工に用いる工具の刃先形状
・超精密切削加工では,刃先形状がそのまま仕上面に転写される
ので,刃先形状の良し悪しは重要である。
工具刃先は
・耐摩耗性があり,
・工具の切れ刃稜線には凹凸が存在しない直線性と逃げ面・
すくい面が平滑であることが要求される。
そのため超精密切削加工では,単結晶ダイヤモンドバイトが使わ
れている。
従来の工具の切れ刃稜線に比べ,単結晶ダイヤモンドバイトの
刃先は0.1μm以下の寸法オーダ-の鋭利さに仕上げられる。
ダイヤモンドは鉄系を削るとき700℃以上で鉄と反応するため,
鉄は削れない。
考えようp122
1. 静圧軸受けについてまとめてみよう
非接触のため摩擦・振動が少ない
2. 超精密切削加工で単結晶ダイアモンドが用いられる理由
表面粗さが0.1μm以下: 鏡面状態
切削以外にラッピングでもできる。
近年非鉄金属の持つ、光・磁気などの特性のために鏡面仕上げ
が要求されてきた。
これらの非鉄(Al、Cu)金属の鏡面仕上げは、研削後のラッピング
あるいは超仕上げとなるので2工程を要する。
単結晶ダイアモンド工具を使用すれば旋削1工程で可能となる
超精密切削加工で作られた製品: 磁気ドラム・デイスク・ビデオ
デイスク・レーザ反射鏡・印刷ロールなどがある。
章末問題
1. 旋盤での丸棒切削表面の荒れの原因
1)バイトの刃先形状磨耗・破損はないか
2)すくい角を大きくしてみる
3)切り込み、送り量は適切か
4)切削速度が遅すぎないか(構成刃先)
5)切削油は適切で十分供給しているか(バイトによっては使用
しない場合もある。)
6)工作機械の振動、磨耗はないか
2. 主軸回転速度n=1000v/πd=1000・30/π・10=955rpm
3. n=1000・30/π・100=95.5rpm
f=fz・z・n=0.2・12・95.5=229mm/min
∴ 300/229=1.3min

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