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【技術分類】
 3-1 ドリル

【技術の名称】
 3-1-1e ドリル加工における切屑切断方法(3-1-1d)

【技術内容】
 ドリルによる穴加工において、切屑処理は重要な問題である。切屑が溝につまることは許されない。
 切屑処理の方法は図1に示すように、(1)すくい面にブレーカをつける方法(a、b)、(2)切れ刃に溝を設け、切屑を流出方向に分断する方法(c、d)などがある。
 一方ドリル先端にはブレーカをつけず、断続的に送りを一時停止して分断する方法(step feed)も採られている。

【図】
 図1 切屑切断方法
切屑切断方法
 出典:「実用切削加工法」、(1980年)、藤村善雄著、共立出版社発行、96頁 図 5.15 切屑切断方法

【応用分野】
 旋削加工

【出典/参考資料】
 「実用切削加工法」、(1980年)、藤村善雄著、共立出版社発行、96頁



【技術分類】
 3-1 ドリル

【技術の名称】
 3-1-1a 仕上げ刃付きドリルによるバリの抑制(4-1-1、6-2-3、7-1-2、7-2-1、8-2-2)

【技術内容】
 本研究はドリルのコーナ部分を研削して仕上げ刃を付けることによってバリの抑制を試みたものである。
 直立ボール盤(吉田鉄工YUD-700)を用いて、図1に示すように工具形状(仕上げ刃の角度θと長さl)および送りを変えて、アルミニウム合金(A5052、焼鈍済、厚さ3mm)にドリル加工した。
  仕上げ刃付きドリルの形状と切削モデルを図2に示す。出口付近で仕上げ刃が切削し、ばりを抑制する。仕上げ刃の切取り厚さh(= f/2sinθ)が小さく、肩部(180°-θ)の剛性が高くなれば、バリは小さくなる。通常の2段先端角ドリルと違う点は、マージン側の先端角の1/2 (仕上げ刃角θ)が10°以下と小さいことである。
 標準ドリル、ラジアルリップドリルと仕上げ刃付きドリル(仕 上げ刃角θ=10°、仕上げ刃長さl=1mm、仕上げ刃逃げ角β=6°)で のバリの根本厚さを図3に示す。仕上げ刃付きの場合は標準の場合より根本厚さは半減する。また、送りが小さい場合はラジアルリップよりも根本厚さは小さく なる。

【図】
 図1 切削条件
切削条件
 出典:「仕上げ刃付きドリルによるばりの抑制」、「1992年度精密工学会秋季大会学術講演会講演論文集」、(1992年)、引地力、新井実、小川誠著、精密工学会発行、519頁 表1 切削条件

 図2 仕上げ刃付きドリルの切削機構
仕上げ刃付きドリルの切削機構
 出典:「仕上げ刃付きドリルによるばりの抑制」、「1992年度精密工学会秋季大会学術講演会講演論文集」、(1992年)、引地力、新井実、小川誠著、精密工学会発行、519頁 図1 仕上げ刃付きドリルの切削機構

 図3 仕上げ刃付きドリルと他ドリルとの比較
仕上げ刃付きドリルと他ドリルとの比較
 出典:「仕上げ刃付きドリルによるばりの抑制」、「1992年度精密工学会秋季大会学術講演会講演論文集」、(1992年)、引地力、新井実、小川誠著、精密工学会発行、519頁 図2 仕上げ刃付きドリルと他ドリルとの比較

【応用分野】
 ドリル加工

【出典/参考資料】
 「仕上げ刃付きドリルによるばりの抑制」、「1992年度精密工学会秋季大会学術講演会講演論文集」、(1992年)、引地力、新井実、小川誠著、精密工学会発行、519頁~520頁



【技術分類】
 3-1 ドリル

【技術の名称】
 3-1-1aa ニック付きドリルによる仕上げ面の向上(4-1-1、6-1-1、6-2-3h、7-2-3、8-2-1)

【技術内容】
 図1に示すように、ドリルの2枚の切れ刃上の非対称の位置に、切取り厚さよりも深い溝(ニックと呼ぶ)を設けると、これらの切れ刃が作る切屑はそれぞれ2分割される。
 本研究は、ドリルの両刃に1個ずつ付けたニックが穴あけ性能に及ぼす効果を調べたものである。
 直径10.0mmと6.0mmの2種類の市販の標準品ドリル(SKH9、先端角118°、ねじれ角28°)を使用した。ニック幅ωは0.45(±0.05)mm、深さhnは0.13~0.23mmとし、その位置は直径の1/4の位置に、ニック幅だけ加減した。被削材は7-3黄銅であり、切削液はマシン油5%含有のケロシンである。。
  送り量0.27mm/revの場合の切屑写真を図2に示す。ニックを付けたドリルで穴あけした場合、穴の深さと無関係に常に4本の切屑 が無理なく流出する。標準ドリルの場合の切屑は、穴の内壁のはげしい拘束によって周期的に折れて遷移折断形になる。ニックの効果は明瞭である。
  送り量0.27mm/revで貫通穴をあけたときのスラストとトルクを測定した結果を図3に示す。標準ドリルでは穴が深くなると切屑が 流出を拘束されトルクが増し、またはトルクの変動がはげしくなるが、ニック付きドリルではトルクの変化がきわめて少ない。なお、スラストについてはニック の有無による差異はほとんど無い。

【図】
 図1 ニック付きドリルの切れ刃
ニック付きドリルの切れ刃
 出典:「ニックによるドリル性能の向上」、「精密機械 50巻 10号」、(1984年10月)、小川誠、中山一雄著、精機学会発行、129頁 Fig.1 Splitting of chip by nick

 図2 切屑の形状
切屑の形状
 出典:「ニックによるドリル性能の向上」、「精密機械 50巻 10号」、(1984年10月)、小川誠、中山一雄著、精機学会発行、131頁 Fig.3 Variation of chip from by nick

 図3 ドリル加工中のスラストとトルク測定結果
ドリル加工中のスラストとトルク測定結果
 出典:「ニックによるドリル性能の向上」、「精密機械 50巻 10号」、(1984年10月)、小川誠、中山一雄著、精機学会発行、129頁 Fig.5 Records of thrust and torque in drilling

【応用分野】
 ドリル加工

【出典/参考資料】
 「ニックによるドリル性能の向上」、「精密機械 50巻 10号」、(1984年10月)、小川誠、中山一雄著、精機学会発行、129頁~134頁



【技術分類】
 3-1 ドリル

【技術の名称】
 3-1-1aa 穴あけ寿命に与えるドリルの溝長さの影響(4-1-1、6-1-1、6-1-2、7-2-3、8-1-2、8-1-3)

【技術内容】
 ドリルの穴あけ特性に影響を与える因子のなかで、切削中の回転振動と軸方向振動に直接影響を与える溝長さの因子はきわめて大きい。
 ドリルの溝長さと穴あけ寿命との関係を図1に示す。各サイズのドリルの溝長さを順次切りつめて短くし、溝長さと穴あけ寿命の関係を調べたものである。いずれも溝長さを少し短くすると、穴あけ寿命を著しく延長できることがわかる。
 モールステーパシャンクドリルについて溝長さと寿命の長さを調べた結果を図2に示す。溝長さ125mmを20mm短くすると穴あけ寿命が2倍以上に延びることを示している。
 このようにドリルの穴あけ寿命におよぼす影響は、切削条件が過酷になるほど、また難削材の穴あけであるほど顕著となる。

【図】
 図1 ドリル溝長さと穴あけ寿命
ドリル溝長さと穴あけ寿命
 出典:「穴あけ特性に与えるドリルのみぞ長さの影響」、「加工技術データファイル 加工事例 No.2243」、(1994年3月)、(財)機械振興協会技術研究所発行、1/2頁 図1 みぞ長さと寿命

 図2 ドリル溝長さと穴あけ寿命(モールステーパシャンクドリル)
ドリル溝長さと穴あけ寿命(モールステーパシャンクドリル)
 出典:「穴あけ特性に与えるドリルのみぞ長さの影響」、「加工技術データファイル 加工事例 No.2243」、(1994年3月)、(財)機械振興協会技術研究所発行、1/2頁 図2 みぞ長さと寿命

【応用分野】
 ドリル

【出典/参考資料】
 「穴あけ特性に与えるドリルのみぞ長さの影響」、「加工技術データファイル 加工事例 No.2243」、(1994年3月)、(財)機械振興協会技術研究所発行、1/2頁~2/2頁



【技術分類】
 3-1 ドリル

【技術の名称】
 3-1-1ab ラジアル・リップドリルの先端角と寿命(4-1-1、6-1-2、7-2-1、8-1-1)

【技術内容】
 本研究は鋳鉄の穴あけにおけるラジアル・リップドリルの先端角の影響を調べたものである。
 7.0φ×75×108S.D.のハイスドリルで板厚30mmのFC25(HB180)材を貫通切削した。使用機械はラジアルボール盤である。ドリル回転数は2100rpm(46.2m/min)、送りは0.28mm/revで、ドライ切削である。異常音の発生で寿命を判定した。
 先端角2θは90°、120°、150°の3種類とし、おのおのn=5でテストした。実験に供したドリル形状を図1に、試験結果を図2に示す。
  先端角が大きいほど寿命が伸びており、先端角150°のものは90°のものの寿命の約1.6倍である。通常、普通ドリルでは鋳鉄の穴あ けに対しては先端角90°くらいが推奨されているが、ラジアル・リップドリルにおいては150°と非常に大きい角度が良いことがわかる。なお、同じ 120°の先端角において、ラジアル・リップドリルは普通ドリルの約6.7倍の寿命である。

【図】
 図1 7.0φ供試ドリル(左から先端角90°、120°、150°ラジアル・リップドリルおよび普通ドリル)
7.0φ供試ドリル(左から先端角90°、120°、150°ラジアル・リップドリルおよび普通ドリル)
  出典:「ラジアル・リップドリルに関する考察」、「神戸製鋼所技報 Vol.21 No.1」、(1971年)、山川哲央、脇平浩一郎 著、神戸製鋼所発行、108頁 写真2 7.0φ供試ドリル(左から,先端角90°,120°,150°,R.L.D.および普通ドリル)

 図2 ラジアル・リップドリルの先端角と寿命の関係
ラジアル・リップドリルの先端角と寿命の関係
 出典:「ラジアル・リップドリルに関する考察」、「神戸製鋼所技報 Vol.21 No.1」、(1971年)、山川哲央、脇平浩一郎著、神戸製鋼所発行、108頁 第6図 ラジアル・リップドリルの先端角と寿命の関係

【応用分野】
 普通鋳鉄のドリル加工

【出典/参考資料】
 「神戸製鋼所技報 Vol.21 No.1」、(1971年)、山川哲央、脇平浩一郎著、神戸製鋼所発行、105頁~109頁



【技術分類】
 3-1 ドリル

【技術の名称】
 3-1-1a 高剛性と切屑の排出を両立させた深穴加工用超硬合金ドリル(3-1-1e、4-2、6-1-1、6-2-2、7-2-3、8-1-1、8-2-2)

【技術内容】
 自動車エンジン部品の加工用に開発した深穴加工用高剛性超硬合金ドリルの切削性能、加工事例などについて述べた。
  本ドリルは、従来のハイスや超硬合金の一般的ツイストドリルとはシンニングや先端角などの刃先形状、心厚、溝形状など多くの点で異な る。ドリル断面剛性を高くすることにより、従来困難であった小径深穴用ドリルの超硬合金化を可能にした。独自のポジティブシンニングと小チゼル切れ刃形状 の構成により、従来ドリルに比べトルクで42%、スラスト力で43%の切削抵抗を低減した。また、独自の角形溝形状などにより、切屑を分断し排出性を大き く向上させた。さらに、加工精度が高く、再研削が可能であるなどの特徴を有する。
 切削性能を実証するため行った 欠肉穴加工による意地悪テストの方法と条件を図1に示す。この高剛性超硬合金ドリルは、切屑のかみ込み傷 やうねり目が無く、穴曲がりが防止できた。一方、従来ドリルによる切削面は、切屑のかみ込み傷やドリルの曲げ振動による凸凹な面を呈した。

【図】
 図1 欠肉穴加工による意地悪テスト
欠肉穴加工による意地悪テスト
 出典:「高剛性と切りくずの排出を両立させた超硬ノンステップドリル」、「ツールエンジニア 36巻 9号」、(1995年9月)、加藤宣佳、渡瀬浩一著、大河出版発行、106頁 図2 欠肉穴加工による意地悪テスト

【応用分野】
 深穴加工

【出典/参考資料】
 「ツールエンジニア 36巻 9号」、(1995年9月)、加藤宣佳、渡瀬浩一著、大河出版発行、104頁~109頁



【技術分類】
 3-1 ドリル

【技術の名称】
 3-1-1a チゼル部に切れ刃のないドリル(4-2-3、5-2、6-1-1、8-1-1、8-1-2、8-1-3、8-1-4、8-2-3)

【技術内容】
 ドリル中心のチゼル部に切れ刃を持たず完全な空隙とした切削抵抗の低いドリルを紹介した。1979年開発の切れ刃が左右対称の超硬合金から成るドリルである。
 従来のツイストドリルでは、ドリル中心のチゼル部において切れ刃のすくい角がネガティブレーキを形成し切屑が無理に押し曲げられながら生成される。このため、切削抵抗の分布はドリル中心のチゼル部で極めて高い値を示す。
  これに対し、本ドリルは、図1、図2に示すごとく、チゼル部を持たないためスラスト力が大幅に低減する。そのため、一般鋳鉄や炭素鋼、 合金鋼のほか、ダクタイル鋳鉄やステンレス鋼、超耐熱合金などの難削材の切削が可能である。図3に本ドリルの適用条件を示す。本ドリルのうちPVD法によ るコーテッド超硬合金(UP20M)は、耐摩耗性に優れ切れ刃の信頼性と長寿命が得られる高性能形汎用ドリルである。

【図】
 図1 ドリルの先端
ドリルの先端
 出典:「データで見る切削加工の最先端技術〔18〕」、「機械と工具 35巻 8号」、(1991年8月)、狩野勝吉著、工業調査会発行、146頁 写真11.7 ニューポイントドリルの先端の拡大

 図2 ドリルチゼル部の切れ刃形状
ドリルチゼル部の切れ刃形状
 出典:「データで見る切削加工の最先端技術〔18〕」、「機械と工具 35巻 8号」、(1991年8月)、狩野勝吉著、工業調査会発行、146頁 写真11.8 ニューポイントドリルのチゼル部の切れ刃形状

 図3 ドリルの適用条件
ドリルの適用条件
 出典:「データで見る切削加工の最先端技術〔18〕」、「機械と工具 35巻 8号」、(1991年8月)、狩野勝吉著、工業調査会発行、147頁 表11.4 ニューポイントドリルの適用条件

【応用分野】
 難削材の穴あけ加工

【出典/参考資料】
 「機械と工具 35巻 8号」、(1991年8月)、狩野勝吉著、工業調査会発行、142頁~152頁



【技術分類】
 3-2 深穴工具

【技術の名称】
 3-1-1a 高能率・高精度加工を可能にする円弧状中心刃形ドリル(3-1-1e、4-1-1、4-2、5-2、7-1-1、7-2-3、8-1-2)

【技術内容】
 刃先中心付近に発生する切れ刃のチッピングを防止するため、中心部付近の刃形を円弧状にした円弧状中心刃形ドリルについて述べた。
  本ドリルでは、円弧状の中心切れ刃が被削材に対しゆっくりと食込み始め、負の半径方向すくい角による傾斜切削作用が働くので切削抵抗が 小さい。切削速度の低い中心部切れ刃が切削を終わり外周切れ刃が最後まで切削を続けて切屑を排出し1回の切削サイクルを終了するため切屑離れが良い。
 1980 年に超硬合金ドリルに応用され、鋼の高能率・高精度ドリル加工を初めて可能にした。図1(a)のごとく、ロー付けした超硬刃先 に切れ刃が渦巻状になるようにすくい面を研ぎ付け、切れ刃の無い部分(チゼル)を残さずに中心まで切れ刃を付けている。切屑を排出する2条の溝(フルー ト)の断面を細くすることによりドリルの心(ウェブ)の厚さを大きくし、本体の剛性を高めている(厚心設計)。
 同じ刃形をHSS(ハイス、高速度工具鋼)ドリルに用いTiN被覆したもの図1(b)が1984年に製品化され、翌年には被覆が無く心厚が通常通りのHSSドリルにこの刃形を研削して用いられるようになった(図1(c))。
  超硬合金刃先のものは、高速・高送り加工によりリーマ穴相当の高精度が得られるが、信頼度面では配慮が必要である。他方、厚心設計 HSSドリルに円弧状中心刃形を付けTiN被覆したものは信頼度が高く、普通鋼に対し、切削速度40m/min、送り0.3~0.4mm/revで使用で きる。これは通常のHSSドリルに比し3~4倍の能率である。図2にHSS通常ドリルとの比較を示す。同じ切削条件であれば10倍程度の寿命が得られるこ とがわかる。

【図】
 図1 円弧状中心刃形ドリル
円弧状中心刃形ドリル
 出典:「高能率・高精度切削工具へのキーテクノロジー」、「機械と工具 33巻 4号」、(1989年4月)、星鐵太郎著、工業調査会発行、16頁 写真3 円弧状中心刃形ドリル(直径20mm)

 図2 HSS厚心設計円弧状中心刃形ドリル(TiN被覆)の工具寿命
HSS厚心設計円弧状中心刃形ドリル(TiN被覆)の工具寿命
 出典:「高能率・高精度切削工具へのキーテクノロジー」、「機械と工具 33巻 4号」、(1989年4月)、星鐵太郎著、工業調査会発行、17頁 図1 通常HSSドリル(円錐研削刃形)と被覆厚心設計HSSドリル(円弧状中心刃形)の工具寿命比較実験結果

【応用分野】
 穴あけ加工

【出典/参考資料】
 「機械と工具 33巻 4号」、(1989年4月)、星鐵太郎著、工業調査会発行、15頁~21頁



【技術分類】
 3-1 ドリル

【技術の名称】
 3-1-1g 高圧給油による高硬度材のドリル加工(4-1-1、6-1-2、7-1-2、7-2-3、8-1-3)

【技術内容】
 本研究は、高硬度材に対する内部給油形ドリルの高圧給油の有効性を検討したものである。
  硬さを調整したSKD11(HV=351~617)をXシニングしたφ6のドリル(材質:高速度工具鋼)で穴あけ加工した。穴は止まり 穴で、穴深さは30mm(L/D=5)である。内部給油の場合には、希釈倍率30倍のエマルジョン形(ユシローケン)切削油剤をベーンポンプ(Max; 7MPa、10Ll/min)でツールホルダへ供給した。
 内部給油(7MPa)と外部給油について送りの違いに よる逃げ面摩耗幅の相違を図1に示す。送りが0.1mm/revまでは外部給油の 方が摩耗は少ないが、0.15mm/revになると逆転していることが分かる。送りを高くすると、切削距離が減少するから内部給油の場合は摩耗を減らす が、外部給油の場合は切削温度の著しい上昇のために摩耗が増大する。
 被削材の硬さの工具摩耗への影響を図2に示す。送りが0.05mm/revの場合は全領域で外部給油の方が摩耗が少ない。送りが0.1mm/revの場合は、HV417以上で外部給油の摩耗が大きくなり、送りや硬さがこれを越えると外部給油では数個で破損する。
 内部給油と外部給油の有利な領域を図3にまとめる。送りが大きく、被削材が硬い領域では内部給油が有利である。

【図】
 図1 送りの違いによる逃げ面摩耗幅
送りの違いによる逃げ面摩耗幅
 出典:「内部給油形ドリルによる切削性能(第2報)-高硬度材の穴あけ-」、「1994年度精密工学会秋季大会学術講演会講演論文集」、(1994年)、大野鉄司、新井実、佐藤素、小川誠著、精密工学会発行、817頁 図3 送りの違いによる逃げ面摩耗幅

 図2 被削材の硬さと逃げ面摩耗幅の関係
被削材の硬さと逃げ面摩耗幅の関係
 出典:「内部給油形ドリルによる切削性能(第2報)-高硬度材の穴あけ-」、「1994年度精密工学会秋季大会学術講演会講演論文集」、(1994年)、大野鉄司、新井実、佐藤素、小川誠著、精密工学会発行、818頁 図4 被削材の硬さと逃げ面摩耗幅の関係

 図3 それぞれの給油方式が有利な条件
それぞれの給油方式が有利な条件
 出典:「内部給油形ドリルによる切削性能(第2報)-高硬度材の穴あけ-」、「1994年度精密工学会秋季大会学術講演会講演論文集」、(1994年)、大野鉄司、新井実、佐藤素、小川誠著、精密工学会発行、818頁 図5 それぞれの給油方式が有利な条件

【応用分野】
 工具鋼一般のドリル加工

【出典/参考資料】
 「内部給油形ドリルによる切削性能(第2報)-高硬度材の穴あけ-」、「1994年度精密工学会秋季大会学術講演会講演論文集」、(1994年)、大野鉄司、新井実、佐藤素、小川誠著、精密工学会発行、817頁~818頁



【技術分類】
 3-1 ドリル

【技術の名称】
 3-1-1g アルミニウム合金のスパイラルドリル加工における油穴付きドリルの効果(4-2、6-1-1、7-1-1、7-1-2、7-2-3n、8-2-2)

【技術内容】
  高速切削領域でのアルミニウム材穴加工時の油穴付きドリルを使用した内部給油法の効果および従来の外部給油法との差を明確にした。加工 条件を図1の上段に示す。加工装置は流量損失を少なくするため、主軸中心より切削液供給が可能な立型マシニングセンタを使用した。切削液は2重に濾過さ れ、高圧ポンプにて主軸中心へ供給される。切削液はエマルションタイプ(ユシローケン)を20倍の希釈倍率で使用した。加工装置を図1下段に示す。
  切削液供給方法および供給圧力毎の切削速度と切削合力の関係を図2に示す。外部給油法の場合、切削速度の増加にともない切削合力は低下 する。また、内部給油法の場合、切削合力は切削速度および供給圧力の影響を殆ど受けない。さらに、どの切削領域でも内部給油法の方が切削合力は低い値を示 す。
 構成刃先は内部給油法の方が多く生成されている。切削速度と切削液給油法と面粗さの関係を図3に示す。全般に外部給油法の方が面粗さは良い。ただし、切削速度が増加するに従い給油法による差は小さくなっている。

【図】
 図1 加工条件および加工装置、測定装置
加工条件および加工装置、測定装置
 出典:「高速穴加工に於ける油穴付きドリルの効果」、「1994年度精密工学会秋季大会学術講演会講演論文集」、(1994年)、大関浩、長谷川英雄、山口正著、精密工学会発行、819頁 表1 加工条件 および 表2 加工装置、測定装置

 図2 切削速度と切削合力の関係
切削速度と切削合力の関係
 出典:「高速穴加工に於ける油穴付きドリルの効果」、「1994年度精密工学会秋季大会学術講演会講演論文集」、(1994年)、大関浩、長谷川英雄、山口正著、精密工学会発行、820頁 図4 切削速度と切削合力の関係

 図3 切削液供給圧力と加工面粗度の関係
切削液供給圧力と加工面粗度の関係
 出典:「高速穴加工に於ける油穴付きドリルの効果」、「1994年度精密工学会秋季大会学術講演会講演論文集」、(1994年)、大関浩、長谷川英雄、山口正著、精密工学会発行、820頁 図5 切削液供給圧力と加工面粗度の関係

【応用分野】
 アルミニウム合金のドリル加工

【出典/参考資料】
 「1994年度精密工学会秋季大会学術講演会講演論文集」、(1994年)、大関浩、長谷川英雄、山口正著、精密工学会発行、819頁~820頁



【技術分類】
 3-1 ドリル加工

【技術の名称】
 3-1-1 環境負荷低減のための切削油剤を用いない冷風ドリル加工(4-1-1、6-1-1、6-1-2、7-2-2m、8-1-3)

【技術内容】
 本研究では、約-20℃の冷風をドリル本体の中に加工されたエアホールに通し、ドリル切れ刃部に供給し、ドリル上方から切屑を吸引し回収するシステムを開発し、SCM435鋼にドリル加工を行なった。
 吸引し回収する冷風ドリル加工システムを考案した。ドリルの寿命判定にはCCDマイクロスコープ(200倍)を用いて、ドリルの図1に示す外周コーナ部の磨耗幅が0.2mmに達した時点を寿命とした。
 使用したドリルはエアホール式コバルトハイスドリルNACHI HS53M(φ10.5mm、全長93mm溝長43mm、Co:5%、V:2.5%、Cr:4%、Mo:6%、W:6%、C:1.05%、Fe:残り)である。ドリル形状を図1に示す。回転数は618min-1、送りは0.16mm/revである。また、加工前および加工後のドリル刃先温度を接触式の熱電対で測定した。
  ドリル加工結果を図2に示す。ドリル外周コーナ部の磨耗幅が0.2mmになる時点を寿命とした。室温(30℃)で空気の供給も無い状態 でのドリル加工では20本の切削できた。室温(30℃)で+20℃の空気をエアホールを通して供給し、加工前のドリル先端温度が+18.9℃の状態でドリ ル加工を行なった場合は70本加工できた。同様にして加工前のドリル先端温度が0℃になるように冷風を供給して加工すると110本切削、加工前の先端温度 が-10℃の冷風供給で160本、加工前の先端温度が-20℃で200本切削が可能であった。冷風加工における冷却効果が確認された。

【図】
 図1 ドリル
ドリル
 出典:「環境負荷低減のための切削油剤を用いない冷風ドリル加工に関する研究」、「精密工学会誌 Vol.66 No.5」、(2000年)、奥村成史、横川和彦、清水茂夫、横川宗彦著、精密工学会発行、720頁 Fig.3 Drill

 図2 ドリル加工試験結果
ドリル加工試験結果
 出典:「環境負荷低減のための切削油剤を用いない冷風ドリル加工に関する研究」、「精密工学会誌 Vol.66 No.5」、(2000年)、奥村成史、横川和彦、清水茂夫、横川宗彦著、精密工学会発行、720頁 Fig.5 Drilling performance

【応用分野】
 ドリル加工

【出典/参考資料】
 「環境負荷低減のための切削油剤を用いない冷風ドリル加工に関する研究」、「精密工学会誌 Vol.66 No.5」、(2000年)、奥村成史、横川和彦、清水茂夫、横川宗彦著、精密工学会発行、719頁~724頁



【技術分類】
 3-1 ドリル

【技術の名称】
 3-1-1 ハイシリコンアルミニウム合金の高精度長寿命穴加工(4-5-3、6-2-3h、7-1-1、8-5-2)

【技術内容】
 ハイシリコンアルミニウム合金の穴あけ加工を高精度長寿命で行える焼結ダイヤモンドドリルを紹介した。
 アルミニウム合金の穴あけには超硬合金ドリルが一般的に使用されるが、最近のハイシリコンアルミニウム合金の増加に対し、リーマの代替や転造タップの下穴など高精度な穴加工の必要性が高まっており、超硬合金から焼結ダイヤモンドへの切替えが望まれている。
  本ドリルでは、切れ刃部は焼結ダイヤモンド、ガイド部は超硬合金としている。図1に焼結ダイヤモンドの強度とダイヤモンド粒子の関係を 示す。粗粒になるほど強度は低下するが、耐摩耗性は向上する。このことから、刃先強度が必要な強断続切削には微粒の焼結ダイヤモンドが適している。また、 微粒になると切れ刃エッジの刃立ち性も良くなり高精度加工に使用できる。工具の必要特性によって焼結ダイヤモンドの材種選定が必要である。
  本ドリルと超硬合金製高精度加工用ドリルを用いハイシリコンアルミニウム合金(20%Si-Al)の高精度穴あけを行ったときの真円 度、面粗さを図2に示す。超硬合金では穴径が急激に縮小し約2,000穴で寿命となるのに対し、焼結ダイヤモンドでは15倍の約30,000穴まで精度が 維持できた。
 焼結ダイヤモンドドリルの切削速度は100m/min程度が良く、切屑排出の点から高速にすることは望ましくない。送り速度は精度維持の観点から0.1~0.2mm/revが望ましい。切削油(一般に水溶性)を使用した方が良い結果が得られる。

【図】
 図1 焼結ダイヤモンドの強度と粒度の関係
焼結ダイヤモンドの強度と粒度の関係
 出典:「ハイシリコンアルミ合金の高精度長寿命加工」、「ツールエンジニア 32巻、6号」、(1991年6月)、秀島正文著、大河出版発行、99頁 図3 焼結ダイヤモンドの強度と粒度の関係

 図2 高精度ドリルによる加工精度
高精度ドリルによる加工精度
 出典:「ハイシリコンアルミ合金の高精度長寿命加工」、「ツールエンジニア 32巻 6号」、(1991年6月)、秀島正文著、大河出版発行、100頁 表3 高精度ドリルによる加工精度

【応用分野】
 ハイシリコンアルミニウム合金の穴あけ加工

【出典/参考資料】
 「ツールエンジニア 32巻 6号」、(1991年6月)、秀島正文著、大河出版発行、98頁~101頁



【技術分類】
 3-1 ドリル

【技術の名称】
 3-1-1 プリント積層基板の穴あけ加工時の切削特性(4-1-1、6-1-1、8-4-4、9-2-1o)

【技術内容】
  プリント積層基板の10倍模型(0.4mm厚銅板16層中に0.9mm厚エポキシ樹脂板15層が入っている。全厚:20mm)を作成 し、φ4(SKH51)のドリルで穴あけ加工を行ない、トルク・スラスト・温度センサー(φ1~φ4mm用、定格トルク50Ncm、最大トルク 200Ncm、定格スラスト200N、最大スラスト800N)を用いて、トルク・スラスト・温度を測定した。加工中のトルク・スラスト・温度はFMで送受 信され、直流増幅器を経て記録される。温度はクロメル・アルメル熱電対(φ0.5シース熱電対)を用いている。ドリルにはφ1の穴があけられ、熱電対をド リル先端までガイドする。
 また、被削材の温度分布を測定するために図1のように積層基板10倍模型にφ0.6mmの穴をあけ、φ0.5mmのクロメルアルメルシース熱電対をさしこんだ。
 被削材に深さ15mmの盲穴をあける。穴と穴との間隔、時間間隔は十分に取って、隣の穴の影響や前の実験の影響を無くした。
  積層基板10倍模型の穴あけ時のトルク、スラスト、ドリル先端温度および穴あけ箇所から20、12、4mmの距離で深さ5mmの測定点 での温度を図2(図中破線:理論計算値)に示す。トルクは漸増し、スラストはほぼ一定である。温度は放物線状に上昇する。トルク、スラスト、温度とも銅板 に相当する位置でピーク値を示す。また、樹脂の軟化点は約140℃である。実際には、ドリル先端付近では樹脂が溶融し、ドリル溝を閉塞させ、トルクの増 大、温度上昇、ドリル折損などの原因となることが推定される。

【図】
 図1 温度測定方法
温度測定方法
 出典:「プリント基板の穴あけ加工時における温度分布について」、「昭和62年度精密工学会秋季大会学術講演会論文集」、(1987年)、長尾高明、中島信行、飯田広之、成顕模、矢島勝著、精密工学会発行、37頁 図2 温度測定法

 図2 積層基板10倍模型穴あけ時のトルク・スラスト・温度の測定結果
積層基板10倍模型穴あけ時のトルク・スラスト・温度の測定結果
  出典:「プリント基板の穴あけ加工時における温度分布について」、「昭和62年度精密工学会秋季大会学術講演会論文集」、(1987 年)、長尾高明、中島信行、飯田広之、成顕模、矢島勝著、精密工学会発行、38頁 図5 エポキシ樹脂穴あけ時のトルク・スラスト・温度の測定結果

【応用分野】
 プリント基板の切削加工

【出典/参考資料】
 「プリント基板の穴あけ加工時における温度分布について」、「昭和62年度精密工学会秋季大会学術講演会論文集」、(1987年)、長尾高明、中島信行、飯田広之、成顕模、矢島勝著、精密工学会発行、37頁~38頁

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